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第59回 小学校音楽会から中高合唱コンへ

2018年12月5日

 湘南学園は、広く音楽界で活躍される素晴らしい卒業生が数多くいらっしゃいます。先日実施された「創立85周年記念のつどい」では、参加者一同で「学園歌斉唱」を行いました。「もとうよ歌を くちびるに~」という歌い出しは、音楽を大事にする湘南学園の文化を鮮やかに象徴するものです。
 今日は、小学校の音楽会と中高の合唱コンクールのつながりに留意して、音楽会で受けた感銘について述べたいと思います。
 

 先月13日に鎌倉芸術館大ホールで実施された音楽会。全体を通して鑑賞できたのは今回が二度目でした。サッと立って全員が歌い出す始まりは、何度も小学校の行事で感動してきたことです。2年生~3年生~4年生が前半、1年生~5年生~6年生が後半、おもなプログラムの流れに共感しました。
 学園小学生の合唱の魅力は、何より明るく伸びやかなこと、表情の豊かなことです。会場いっぱいの観客を前に緊張して固まるのが普通と思われますが、歌詞の意味を深めながらの練習を積み上げ、みんなでコーラスを創り上げる楽しさを体感しながら、本番で伸び伸びと歌い切れる姿が学園生らしいな、と強く感じられました。

 低学年では担任の先生がクラスの指揮をする様子も新鮮でした。歌い出しの前に担任と児童達が笑顔で目配せして何かキャッチボールする様子も印象的でした。まだ場数を踏んでいない初登場の1年生達が何と堂々と思いをこめて歌えたことか。4年生が3クラス合同でミュージカルに挑戦した様子には特に驚きました。歌や踊りに特に優れたリーダー達がいました。学年みんなで舞台を創り上げる協力ぶりが大きな感動を届けました。
 プログラムの学年進行が見事だと思われました。高学年になると強弱のメリハリや指揮と伴奏の工夫が重ねられ、成長していく軌跡にひかれました。

 神私小音楽会に参加した有志児童のコーラスをここで再び聴けたことも嬉しかったです。2曲それぞれのメッセージが再び心にしみました。
 フィナーレの全校合唱では6年生がステージに立ち、5年生までの後輩達と向き合う形で歌う設定が印象的で、器楽も交えて多彩なメドレーが展開されました。保護者の皆様はご家族大勢の方も多く、観客いっぱいのホールに大きな拍手が鳴り響きました。PTA代表委員の方々に会場整理でお手伝いいただいていることも知りました。心からお礼を申し上げます。本当に感動的な全校行事でした。
 

 このあと、1月には同じ鎌倉芸術館で、中高合唱コンクールが行われます。高校と中学別々に開催され、生徒会の合唱コン実行委員会の生徒達が、運営・進行を自分達で仕切って進めます。

 学園小出身の中高生達は、同様の舞台で今度はコンクールに挑みます。小学校音楽会に出演した6年間の経験は、新たなスタイルと目標のもとに生かされていきます。クラスや全体のリーダー、指揮や伴奏などを務める生徒達の中には、音楽会の思い出も踏まえて、新しいクラスメイトと頑張ろうとする諸君が少なくないようです。歌うことが好きでない子や苦手な子にも働きかけて創り上げる苦労と達成感が、合唱コンの大切なところでもあります。

 学園生活の中で大きなステージに立つ経験を重ねることは、他のいろいろな場面にもつながる機会となることでしょう。学園教育は、そうした子ども達の成長を大切にしていきます。