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第63回 ある夫婦デュオのFOLK SONGS

2018年12月19日

 学校が冬休みに入る時期になりました。この通信は次回を年内最後とし、今回は年末年始を念頭に、あるフレッシュな音楽との出会いについてご紹介したいと思います。
 

 先日の音楽番組で、初めて知る「夫婦デュオ」の歌を1曲聴きました。お二人が紡ぎ出すシンプルで温もりあふれるサウンドに、一発で惹かれました。
 「ハンバート ハンバート」という不思議なお名前の男女二人組デュオです。すぐにネット情報をたどり、その後アルバムを2枚購入してゆっくり聴きました。心あたたまる音楽です。お聴きになって癒される学園生やご家族の方々が広がったらいいなと思われました。

 番組では『小さな恋のうた』をカバーしていました。MONGOL800の名曲は多数の歌手にカバーされ、学園の中高生達にも圧倒的な人気が続いています。
 このデュオは、アコースティックギターの弾き語りが基本で、ハーモニカなどが時に加わりますが、懐かしいフォーク調の簡素なサウンドが基調です。
 その分、女声と男声の個性と魅力、その絶妙の掛け合いが前面に出てきます。初期のユーミンに似た透き通るような凛とした女声と、ぶっきらぼうなのに温かい音域豊かな男声。二人が練ったアレンジとハーモニーは、夫婦の絆を感じさせる膨らみにあふれます。
 

 このデュオは学生時代のバンドに最後まで残ったお二人が起ち上げ、デビュー20周年の歴史を刻んできました。この間実に3人の男の子に恵まれました。学齢期ど真ん中の子育てに日々追われ、家事も分担しながら、仕事も家庭もいつも一緒の生活の中でお二人は支え合い、独自の音楽活動を続けてきました。
 オリジナルの素敵な曲もいっぱい産み出し、厳選したカバー曲も大切にアレンジして紡ぎ出してきました。ライヴの素晴らしさにも定評があり、日比谷野音から小さな会場まで包み込む雰囲気に魅了され、ピース・又吉直樹氏など著名人の大ファンも多いそうです。
 来年のライブは平日しか行わないと宣言されました。学校や保育所の行事がたいてい週末なので悩んでいたそうです。家庭も大切にして持続可能な音楽活動を展望しています。「60歳まで続けたい」という決意に頭が下がる思いです。
 

 20周年記念の最新アルバム『FOLK2』をお勧めします。
 前述した「小さな恋のうた」はもちろん、「ひこうき雲」(荒井由実)、「渡良瀬橋」(森高千里)、「クレイジーラブ」(井上陽水)などのカバー曲も素敵で、日常のさまざまな人生模様を歌うオリジナル曲とのバランスも良く、心なごむ秀逸なアルバムです。

 以上は一例ですが、年末年始の期間、皆様が心やすらぐ音楽鑑賞にも恵まれることを願っています。