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第72回 楽器が何か出来る人生の楽しみ

2019年2月2日

 湘南学園の卒業生には、広く音楽界で活躍する方々が大勢おられます。世界的な指揮者や器楽・声楽のソリストがおられ、日本歌謡界の指導者もおられました。学園に在学中、自分が直接に関わった音大系の卒業生の人達もすぐに思い出されます。
 音楽は生涯にわたる楽しみであり、時には慰めや励ましになります。プロになる人はわずかですが、どんな人も音楽を大事な友として生きていけます。
 今回は身近な楽器を「人生の友」にする意義についてふれたいと思います。
 

 自分の場合、小学校時代は「ハーモニカ」が好きでした。学校で習う歌や曲、当時はやりの歌謡曲など、ハーモニカなら大体たやすく吹けました。誰もが買える安価な楽器であり、当時の子ども達にポピュラーでした。
 高校時代は「フォークギター」が大流行でした。フォークソングが若者達の心をつかみ、仲間とギターを弾いて熱唱しました。エレキも人気でしたが、アコースティックの方が主流で、クラスの過半数がギターをやっていました。
 上手な生徒は教室の後ろで弾き語りをやってモテモテであり、初心者はウチで密かに練習しました。自分も「Fコードの壁」を越えると、好きなアーティストの全曲集など購入して、一番好きな曲のコピーをしました。大学生になっても少し続きました。当時は「シンガーソングライター」が憧れで、自分の作詞作曲した歌を「カセットテープ」に録音し、友だちに謹呈して評価を聞くのがはやりでした。現在も押し入れにギターがケース入りで鎮座しています。
 

 何といってもピアノが出来る人が羨ましいです。弾き語りが出来れば最高だなとよく思います。カラオケで好きな歌を存分に歌う楽しみはそれなりに日常的ですが、人前でピアノが弾けて歌えたら!との憧れは変わりません。
 NHKのBS番組で「駅ピアノ」「空港ピアノ」というおしゃれな音楽番組があります。プラハやアムステルダムなど素敵な欧州の都会や空港で、誰もが自由に弾けるピアノがあり、通行人や近隣の人がお気に入りの曲や歌を自由に披露します。音楽や生活についてコメントします。ホームや待合室に流れる雰囲気が魅力的です。日本の駅付近にも「ストリートピアノ」の設置が広がっているようです。商店街の活性化にも役立つと奨励されています。
 

 自分の娘は中高時代に吹奏楽部で頑張り、フルートやピッコロに親しみました。楽器のつながりは今後もどこかで人間関係を広げる可能性があります。
 若い学園生の皆さんには、生活の友となるような楽器との出会いを勧めます。少しだけ練習を重ねると生涯の楽しみが1つ加わるかもしれません。もちろん「声も楽器」であり、「リスナー専門」の楽しみもあります。音楽は幅広いジャンルにまたがる奥深い世界です。いろいろな楽しみを広げてほしいものです。