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第76回 スポーツを友とする人生の楽しみ

2019年2月16日

 湘南学園中高には、数多くの運動部や文化部があります。中高一貫校に通い、好きな部活動におもいきり取り組める経験はかけがえのないものです。
 スポーツや技能のスキルを伸ばし、勉学との両立に苦労しながら力をつけ、リーダーシップやメンバーシップ、礼儀や社会性を高めることができます。そして同じフィールドで苦楽を共にした仲間は生涯の友になることもあるのです。
 

 中高時代に何か1つスポーツに打ち込みたい生徒、それを期待される保護者のお気持ちにいつも接してきました。部活動は個人の選択によるものであり、退部や転部もできますが、出来れば長く続けたいと願って入部するはずです。
 大人になってもずっと続けるジャンルを持てた人は幸せです。自分が担任をした学園卒業生の中には、ラグビーの日本代表選手になった人もいます。周囲の皆にとっても誇らしいことでした。

 しかし途中でいったんやめても、あとになって再び始める場合も結構あるものです。気楽に息長くそのスポーツと関わっていければいいなと思われます。
 

 自分の信州の小学校時代、男子の遊びは野球が中心でした。小6で東京へ転校したら皆サッカーで、「ちゃんとルールを知らない」と笑われました。
 中学で卓球部に入りました。中3では市の大会で個人もダブルスも入賞しましたが、高校でも入って伸び悩み、厳しい練習もつらくて転部しました。それでも卓球は生涯楽しめるスポーツとなり、教員となってまず卓球部の顧問を務めました。息子にもスポーツセンターで教えて熱くなり、「もっと楽しんだら」と妻に指摘されました。

 概して運動能力は並みか苦手で、泳げたのも遅く、柔道の時などつらかったです。そんな自分が「卓球なら少し自信がある」となれたのは拠点となりました。小学生の頃スケートに馴染んだのも救いでした。ほとんどやってなかったボウリングで、社会人となって恥をかき、少し通ったらスコアをかなり伸ばせたことも思い出されます。「何でもやれば出来るんだ」と素朴に前向きになれる感じでした。
 

 運動不足の日々が続き、いまの自分の生活は反省だらけです。ただ学園生にはスポーツの楽しさや醍醐味を、拙いレベルですが伝えられる一人です。

 「自分は運動苦手なんで」と決めつけるのはもったいないです。部活動に入らなくても身近なランニングやなわとび等で身体を鍛えることはできるし、近くの公営施設等へ行って何かトライしてみる勇気があれば、新たな楽しみに出会えることでしょう。独りであるいは家族と、友達と。

 お子様が「運動は苦手だから嫌だ」という時、周囲のさりげない励ましや誘いも大切です。新たなチャレンジの機会にも留意して、支援していただけたらと思います。