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第75回 学園小学校の研究授業に学ぶ

2019年2月13日

 湘南学園小学校は、全教員による「研究授業」を重視して、集団研修を積み上げています。今年度のメインテーマは、「ICT機器を利用した主体的な学び」を探ることでした。1月31日午後の約4時間、先生方が集中して実践を交流し、いろいろ意見を出し合って今後の展望を深める様子に、深い感銘を受けました。詳しく記された「校長日記」をぜひお読みになって下さい。こちらの通信でも紹介したいと思います。
 

 6年生の1クラスの道徳の授業が研究対象でした。クラスメイトの相互理解を深めて、卒業までに出来ることを考えようという設定で、教室内で双方向に意見や考えを交換できるツールとして「iPad」を使い、「ロイロノート」を使用しました。
 10時間の指導計画の中の4時間目にあたる今回は、担任の先生の質問に答えながら級友同士で交流すること、新たな横のつながりを深めることがねらいとされました。

 6年生学年会の先生方が学年のチームで新しい授業の構築を話し合い、クラス間の反応や傾向の違いも考慮して、今後の授業展開を探っていることに深い敬意をいだきました。
 周りの先生方から、質問内容や同調傾向を促しやすい設定など、実際の展開が授業のねらいに即さない部分があるとの指摘もありました。やってみて振り返ってまたトライするのが教育実践であり、だから皆さんで交流して前進を図るのだ、との思いが共有されていると思われます。
 

 次に1年生から5年生まで各学年から、ICT機器を利用した教科・総合の授業、調べ学習や校外学習の取り組みが次々と紹介されました。詳細は「校長日記」をご参照下さい。低学年から高学年まで各発達段階をふまえたICT活用授業はとても印象的で、「もうこんな事が出来るんだ!」と子ども達の大きな可能性を再認識しました。

 そして教科ごとの今年度の様々なトライアルが報告されました。英語・理科・音楽・体育・図工・家庭科・メディアと続き、教頭先生からは様々な実践をストックして、教材の共有化や子どもの成長記録の積み上げに資する方策が説明されました。
 子どもがワクワク楽しく取り組めるためのツールとして機器が要所要所で活用されています。先生方もいろいろと試行錯誤ですが、子ども達の新たな学習意欲に励まされて新たな授業づくりを頑張っていることがわかりました。 
 

 ここまで小学校の「教育研究部」では、ICTの本格的導入に向けた試行錯誤の一年として、4回もの校内研修会を重ねてきました。
 先生方の間にも使用や習熟に大きな差があるのが普通ですが、仕事のスリム化にも生かしながら、子どもの創造力や創造力を大きく広げるために機器をどう活用するか、の問題意識を全体で共有することが重視されました。
 今回のまとめで教育研究部の主任の先生は、「デジタルとアナログのバランスも大切」と指摘していました。ここぞという学習単元や授業場面で存分に活用する、メリハリある授業の組み立てが大事だと改めて理解します。
 

 中高パートでも、中学道徳の授業をどう展開するか、ICT機器を生かして生徒の主体的な学習意欲を教科や総合でどう引き出していくか、試行錯誤が続けられています。
 総合学園としてこのテーマは接続の問われる重要課題であり、連携を意識した情報の共有や集団研修が求められていることを確認する貴重な機会ともなりました。