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第87回 「あこがれ」は成長の原動力

2019年4月13日

 先日ある教育講演&対談に参加した時に、「上級生がリーダーとして頑張る姿を見て、<あこがれ>を持った下級生が意欲を持ち、その立場を経験して更に成長する」ことは学校における大切な教育原理だ、とのお話に接しました。

 総合学園であるわが幼稚園、小学校、中学高校における学園生の成長ぶりを想起して理解が深まる思いでした。今回はそのことにふれます。
 

 幼稚園の始業式の日。年長児になったさくら組の全員に、園長先生から一人ひとり「リーダー切符」が渡されました。年少児の時代はまずお兄さんやお姉さんに手をつなぎ、手伝ってもらい、いろいろ支えてもらって園生活を始めました。「さくらさんはすごいんだ!」との<あこがれ>は、年中児の時代にサポート役も重ねる中でも大きくなりました。そしていよいよ自分もリーダー役を務めるようになるのです。誇らしくはりきる姿が印象的です。

 小学校では、新入生の1年生を最上級の6年生がサポートして4月の新生活が始まります。登校してのお着替えや名札付け、校舎案内など様々な場面でフォローしてくれます。クラス全体の規模でも6年生&1年生の交流や支援の関係があります。1~6年生をたてわりにした「なかよし班」の活動が続けられ、GW前に全校行事の「交歓会」が実施されます。6年生を中心とした高学年のお姉さんやお兄さんとの交流が深まり、全校行事でみんなをリードする姿に<あこがれ>を抱きながら成長していくのです。

 中高では、先輩達の心のこもった「新入生歓迎会」や高2生をリーダー学年とする「体育祭」で生徒主体の運営や数々のドラマに接して、そしてクラブ活動入部と続いて、中1新入生には様々な<あこがれ>が芽生え、広がります。数年後には自分もこうした場面で取り組んで活躍できるんだとの期待が、参加意識や練習意欲の高まりにつながり、中高生らしい成長が促されていきます。
 

 「先輩を見ながら育ち、後輩をリードして育つ」という大事な流れが、幼小中高それぞれの段階で豊かに展開されるのが、湘南学園のダイナミックな教育力であることに気づかされます。

 そしてこのことは我々大人にも共通するところです。どんな仕事の世界でも偉大な人物との出会いが職業人としての成長の原動力になります。

 初めに紹介した講演&対談のセミナーでも、「この教育者からもっと学んで自分も成長したい!」と、<あこがれ>がこみあげる貴重な出会いがありました。

 学び続けるべきは我々大人もずっと同じことです。