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第89回 1年生をお世話する上級生の成長

2019年4月20日

 学校の日常生活をお伝えするために、幼・小・中高のホームページでは連日その様子が発信されています。学級通信や学年通信、学校だよりもおりにふれて発刊されます。今日は、最近とても心に残った動きについてご紹介します。
 

 小学校6年生のあるクラス通信では「Case Study」がテーマでした。
 入学以来新入生のサポートをしている6年生が、いま実際におきた出来事や悩みを伝え合い、情報をクラスみんなで共有し、解決に向けて考える取り組みです。「1年生と6年生」の個別のペアだけの関係を考えるのでなく、相手の1年生のクラス全員を、こちらのクラス全員で見てあげたいとの願いが土台にあることが注目されました。

 「話しかけても反応がない、無視される」悩みを持つ男子にまわりの級友が助言をし、また粘り強くそばにいてあげて話しかける。努力が報われ出して笑顔が満開になり、その話を聞くみんなも最高の顔になるのを、しっかりと担任の先生が書きとめていました。

 別の「Case Study」では、他のペアの子が自分になついて困る状況を受けて、「両方のペアの子4人で遊んでみては」の画期的な提案が出ます。
 人と人との結びつきってそう簡単にうまくはいかない悩みもあれば、結びついたらその絆が深まる手応えも得る。これも大事な経験です。1年生との関わりの中で6年生も大きく育つことに、担任の温かい視線が注がれています。
 

 小学校校長日記の4月15日号も感動しました。2年生が1年生の手をつないで学校の中を案内する「学校探検」の様子が、詳しく伝えられています。

 不安で緊張する1年生の手を引いて、校舎内を案内する2年生は優しく頼もしく、背筋を伸ばして敬語も上手につかえる対応も立派です。2年生の先生方からは、「早く会いたいととても楽しみにし、休み時間に説明の練習をしていた子もいたのですよ。こういう行事が子どもたちを成長させます」と伝えられたそうです。
 

 お世話をする上級生もこうして人間として成長していくのです。湘南学園では幼小中高の全学を通じて、このような学園生の関わりや成長を大事にして働きかけています。