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第92回 時代の節目を振り返った大型連休

2019年5月8日

 今年の大型連休は、平成から令和へと元号が変わる節目をはさんで大きな注目を集めました。各地で大勢の人びとがカウントダウンの歓声の中で節目を迎え、令和の始まりに合わせて婚姻届を提出するカップルが列をつくる光景など、印象的なニュースがたくさんありました。
 遠出の機会に恵まれた人たちもいますが、サービス関連業など連日の激務に追われた人たちもいることを忘れてはなりません。今回は、月並みながらこの約30年間を振り返り、どんな社会の変化を経て現在があるのかを少し確認してみたいと思います。
 

 平成の30年あまりの期間は、わが子達が生まれて育った時代ともほぼ重なります。この間全国では少子化の進行が毎年連続し、4月1日現在の15歳未満の子供の数は平成元年の約2320万人から今年の約1533万人へと約787万人も減ったそうです。
 一方、大学進学率は1989年度の24.7%から2018年度の53.3%へと2倍以上になったそうです。しかしグローバル経済の進展と日本経済の伸び悩みの中で「非正規雇用」の割合が高まり、大学の学歴が就職を保証する楽観を持てない流れが強まりました。
 来日する外国人客数の増加も注目が大きいです。1989年には約283万人、それが2018年には3119万人と実に10倍以上になりました。政府や自治体など様々な関係者の努力があり、近隣アジア諸国の経済成長も要因として見逃せないようです。(以上連休中の報道より)
 

 人びとの日常生活における最大の変化として、インターネットとスマホやSNSの普及をあげることは広く同感されることでしょう。街でも電車でもどこでも、スマホを手に持つ人びとの姿が多数派になるのに何年もかかりませんでした。瞬時に欲しい情報を、遠いどこかの情報を簡単に入手できる時代になりました。けれども膨大な情報の選択肢に囲まれて、主体的に情報を選んで生活を豊かにする難しさにも直面するのが、現代人の共通点といえるでしょう。
 次世代の若者や子どもには、そうした時代の変遷といまの生活の特徴について考える機会をもってほしいものです。年配者から身近な生活の歴史を語って伝える場面もつくりたいと思います。
 

 連休直後の学校生活は、リズムの回復にとまどう子どもが少なくないことが心配されます。新年度が始まって約1か月になります。新しい級友との交流が広がり学校生活に楽しみが増えていくことを願っています。