第121回 地球温暖化と若者の行動
最近の報道で特に注目したニュースに、地球環境問題をめぐる国際的な行動があります。人類の未来へつながる新しい潮流であり、広く共有されるべき出来事ではないかと感じられました。今回はこのニュースを取り上げます。
国連総会に合わせて開かれ、各国首脳の参加が期待された「国連気候行動サミット」を前にして、若者たちを中心に開始された行動です。
地球温暖化への取り組みが遅れている各国リーダー達に抗議し、対策の強化を求めるデモ行進や集会が、世界各地で20日から開かれました。
日本では東京など26都市で約5千人が参加し、23都道府県で関連イベントが開かれたそうです。米国ではニューヨークだけで数万人の若者らがデモ行進に参加し、公立学校は異例の対応をとりました。
その後も数日間にわたり、欧米やアジア・アフリカ・オセアニアなど参加者総数は数百万人にのぼったそうです。海面上昇の危機にあるバングラデシュの首都で約3千人の子ども達がプラカードを掲げて議会の前で行進したのもその一例です。驚くべき広がりでした。
スウェーデンの現在16歳の女性グレタ・トゥンベリさんが、昨年単独でおこした行動が世界に共感を広げていった経緯が注目されました。
「私たちの家が燃えています。緊急事態であり全員が影響を受けるんです」という彼女の訴えが行動の輪を拡げ、「このままでは自分たちの暮らしや地球の未来があぶない」という次世代の強い危機感が大人たちに厳しく突きつけられたのです。
グレタさんは国連気候行動サミットにも出席して、先行世代への厳しい怒りを表明しました。
現実に、熱帯雨林の南米アマゾン流域やインドネシア各地で大規模な山火事が続いています、その被害は恐るべき規模になっています。
プラスチックによる海洋汚染の問題から、現代の便利なライフスタイルのあり方が問われていることは、学園生の間でも関心が強いようです。
日本列島は、ひきつづく台風被害の激化、甚大な大雨被害の増加に直面しており、地球温暖化の影響がじわじわと広がっていることが検証されています。
こうした情勢を前にして、学校教育の現場でも地球規模の環境問題に向き合う子どもたちの学びや取り組みが一層大切になっていると思われます。