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第134回 湘南学園創立86周年を迎えて

2019年11月13日

 湘南学園は、明後日の11月15日に、創立86周年を迎えます。

 昨年秋に創立85周年の節目を迎えました。全学で記念のつどいを実施し、記念冊子の発行や学外広報、記念花壇の造成などを行いました。
 そして先日、湘南学園の永続的な存続と発展を支える基盤づくりの一環として「松ぼっくり基金」を創設しました。今回は創立記念日を前にして、改めて湘南学園の長い歩みを大きく振り返っておきたいと存じます。
 
 湘南学園は、昭和初めの軍国主義の強まる時代の中で、子どもの成長と幸福を第一に「わが子を託せる」学び舎を創りたい、との強い願いから発足しました。関係者の方々の尊いご寄付やご尽力を受けて小学校と幼稚園の数名の規模から始まり、次第に転入生が増えました。その後も大戦の時代をはさんで学事と経営で様々なご苦労がありました。

 戦後、本格的なPTA活動が始められ、新制の中学校と高等学校の設立も認可されました。明るく伸び伸びとした学園の校風は広く注目されて入学者が急増し、幼小中高を併せ持つ総合学園としての基盤が築かれていきました。

 その後も大きく変貌する時代の節目や学内の様々な困難を乗り越え、教職員と保護者の協働による運営が続けられました。一方で、総合学園として学校間の相互理解や教育実践の連携に弱さがあることが指摘され、「15年間の一貫教育」の視点を共有し、連帯感を強めて総合学園の内実を豊かにしていく課題も浮き彫りになりました。
 
 今世紀に入ってすでに20年近くが経ちました。同窓会との協力関係が回復されて数々のご貢献をいただき、後援会も発足されて多方面で教育支援を進めて下さいました。PTAは独自性に富む新しい活動を展開されました。

 創立80周年の節目では、音楽祭やホームカミングデイなどが同時開催され、80周年記念館が建設されました。その中核となるカフェテリアはNPO法人湘南食育ラボが担われ、日々の出食と食育の推進でお世話になってきました。

 その中で、中高は総合学習を深めてユネスコスクールに加盟し、スーパーグローバルハイスクールの準拠校に認定され、本校独自のESDの理念で全教育活動を統合しようとしています。小学校は建築コンクールで最優秀賞を得た新校舎を建て、旺盛な授業研究と総合学習に取り組みエコスクールにも認定されました。幼稚園はきめ細かな保育実践が支持と期待を広げ、その預かり保育は小学校のアフタースクールとともに保護者ご家庭の切実なご要望に応えてきました。
 
 「子どもたちの成長を願ってみんなで創る総合学園」という志が、今世紀も時代の課題に応える新たな形で展開されています。

 「厳しい未来予測」が多方面から指摘される現代ですが、湘南学園は社会の変化も見すえて建学の精神を深め直し、持続可能な社会の担い手として活躍し貢献できる、個性豊かな人間の育成を期して、総合学園としての教育の発展をはかっていきます。