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第162回 心にしみる珠玉の絵本

2020年3月4日

 ホームページでもお伝えしたように、湘南学園も全学で臨時休校の措置をとりました。学園生の歓声が聞こえない校舎・園舎はとてもさびしい状態です。皆さんがお家で元気に暮らしていることをお祈りするばかりです。

 今回は、読書に親しむ時間に少しでもお役に立てばと願い、最近出会って感銘を受けた一冊の絵本を紹介いたします。
 
 『へいわって どんなこと?』浜田桂子作・童心社刊、という作品です。
 東日本大震災の起きた年に発行され、長く読み継がれてきました。

 タイトルは平凡ですが、「平和」とは、日常生活のさりげない場面ひとつひとつにあることを、1ページずつじっくり語りかけてくれる絵本です。
 楽しく食べられること。ぐっすり眠れること。おもいきり遊べること。大切な人と共にいられること。・・・ごくごく当たり前の光景から“いのちのおもみ”に気づき直す思いになります。
 見開き2ページのひとつひとつの場面が本当に鮮烈です。戦争の場面も交えた絵本の構成から、かけがえのない平和のありがたさが、じっくりと心にしみてきます。
 
 「平和」とは、「戦争がおきていない状態」だけではなく、「この世に人間として生まれてきた命が本当に大事にされていること」である、との思いが深まります。そして、「誰もが置き去りにされない国際社会を目指す」というSDGsの基本理念が想起されます。

 どうか1ページ、1ページ、ゆっくりと開いて、眺めて、味わっていただきたいです。きっと心にこみあがるものがあることでしょう。
 ラストの方で「へいわって・・・・・・いうこと」という部分があります。その結語に、読者のこどももおとなも、深い共感をおぼえるのではないでしょうか。
 ぜひご家族で、親子で読んでみていただきたい絵本です。書店やネットなどで見ていただければありがたいです。