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第166回 幼稚園卒園式にこめた願い

2020年3月18日

 新型コロナウイルス感染症が世界各地に広がる情勢は、日々深刻さを増しています。湘南学園も、全学臨時休校という異例の事態の中で、年度末で最も重要な行事である卒業式・卒園式まで大きな制約を迫られました。
 それでも高等学校、中学校、小学校、幼稚園それぞれに、厳しい条件の中で式の内容を検討し、関係者一同心をこめて挙行しております。本日はそのうち、13日に行われた幼稚園卒園式の様子をご紹介したいと思います。
 
 卒園生と教職員のみの実施となりました。登園後にまず検温、手洗い、うがい、アルコール消毒をして、卒園児のみ幼稚園ホールに上がりました。保護者の方々はお荷物を受け取られた後、小学校グラウンドで待機して下さいました。
 式の会場は、いっぱいの花束やお母様方が作って下さった「お楽しみ会」のために準備された数々の手作り装飾品で彩られ、温かさが満ちあふれる雰囲気でした。さくら1組と2組の卒園生は全員の顔がお互いに見えるようゆったりと配置された対面型の座席につき、その周りを教職員の全員でしっかり囲む態勢になっていました。そして何よりも嬉しかったのは、今回の卒園生60名全員がそろったことでした!
 
 先生方は、例年にない状況下のこの最後の場面で、どうしたら園児達の気持ちと意欲に寄り添い、心のこもった想い出に残る卒園式を築けるか、長い時間をかけて話し合いをされました。園生活を振り返って自分達の成長を確かめ、友だちの大切さを心にきざみ、先生達との語り合いも豊かに展開できるような卒園式にしようとプログラムをいろいろ工夫されたのです。

 まず3月誕生会が行われました。大切な毎月の定例行事であり1つ1つの場面がお祝いの暖かさに包まれます。こうして一人ひとりが大事にされ、毎年の祝福を経て、安心と友情を広げていけるのだと感動しました。
 開式してまず保育主任の先生から、実に12日ぶりの登園となった卒園児達へ語りかけがされました。今日という日、「卒園式」の意味、次は小学生になること、園生活で自分が出来るようになったこと。様々な問いかけがあり、園児達は元気に挙手して誇らしく、時には恥ずかしそうに答えました。

 次に担任のお二人の先生から、涙ながらのお話がありました。入学時から今年の行事まで園生活の数々の想い出。いつも積極的だったみんなの成長ぶり。大好きで大好きでたまらなくてお別れがとってもつらいこと。小学校生になったら新しい友達を得てたくさん挑戦してほしいこと。・・・・・一番近い大切な先生のお話は深く心にしみたことでしょう。
 愛唱歌の『てをつなごう』を皆で元気に歌ったあとはお祝いの言葉。私も拙いエールを皆さんに送り、いよいよ古田園長先生のお話です。皆さんは幼稚園で身体も心もすごく成長し、実は「見えない力」がいっぱい豊かに育ったんだよと語りかけました。だから小学生になったら自信を持っていろいろ頑張っていこうねと励ましをされました。

 サプライズがありました。担任のお二人がアコーディオンとギターを持って登壇したのです!大切な『ともだちになるために』が会場の全員で手ぶり身ぶりいっぱいに熱唱されました。幼稚園全体で大事な歌のメッセージがつなぐ絆の深さを感じました。
 最後は卒園証書授与。担任の先生からお名前を呼ばれた卒園生は一人ひとり前に出て、園長先生が目線を合わせて一人ひとりに語りかけて授与し、卒園生は誇らしく受け取って戻りました。盛大な拍手に包まれて退場しました。 心のこもった手づくり卒園式はこうして終了しました。園生活最後の大切な保育の場面。主役はいつも子どもたち。愛情と配慮あふれる式に参列できて本当にありがたい思いでした。
 
 そして、小学校グラウンドでお待ちされていた卒園生保護者の皆様のところへご挨拶に伺いました。予定時刻が遅くなって申し訳なかったです。幼稚園長、担任のお二人の先生、学園長からお話をさせていただきました。大切な卒園式に保護者の皆様にご参列していただけず、ご卒園の喜びを分かち合うことが出来なかったことについて改めてお詫びをいたしました。卒園生が積極的に参加していた様子をお伝えし、後日配布される録画記録でお子様とゆっくりご視聴いただくようにお願いをいたしました。
 園児達の素晴らしい成長ぶりに感激し、今後も幼稚園には親子の皆様共々にお立ち寄りいただき、新しい生活ぶりをお伝えいただきたいことをお伝えしました。保護者の皆様にいつもご理解をいただき、惜しみないご協力を寄せていただいたことに、心からのお礼をお伝えいたしました。

 高校卒業式と幼稚園卒園式は終了し、小学校卒業式と中学校卒業式が今週このあとに実施されます。春休みの季節を迎える中、何よりも学園生皆さんの健康の維持と日々の充実をお祈りいたします。