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第180回 湘南学園カフェテリアの願い

2020年7月22日

 湘南学園カフェテリアはこの秋に開業7周年を迎えます。学園全体の教育と運営にとって大きな拠点の1つになった施設です。

 一方、昨年度末の時期から学園全体が長期休校を余儀なくされ、カフェテリアを運営するスタッフの皆様には多大なご迷惑をおかけしました。本当に申し訳なく思っております。

 その後幼稚園・小学校・中学高校の段階的な再開スケジュールに沿って、ランチやお弁当の出食で細やかな対応を進めて下さるとともに、幼稚園や小学校の新入生のお迎えで来園される保護者の方々の懇談の場としても貢献していただきました。
 
 このカフェテリアが発足した時の関係者の願いとご尽力について改めてご紹介しましょう。
 2013年、創立80周年記念事業の一環で、広範な特別募金などのご支援を受けて「80周年記念館」が完成されました。その中核である「カフェテリア」は、試食会や事前生徒指導、記念祝賀会のお披露目などを経て、学園全体の食と憩いの新たなスペースとして11月にオープンされました。

 設立の背景には新たな教育の願いがありました。当時「チーム湘南学園」の中心だった方々は、育ちざかりの学園生ができるだけ安心で安全な食材で美味しい献立に恵まれるよう、また食の飽和と貧困が混在する現代において、建学の精神に照らして「食育」を本格的に推進していけるように、との願いを持たれたのです。

 そのため、近隣や首都圏各地の「学食」の視察や様々な運営方式の比較検討をされ、80周年関連の様々な委員会と理事会では長期にわたる検討を重ねました。そしてその運営を担う独自のNPO法人を起ち上げ、関係者の総力をあげた自主方式の運営をスタートされました。在校生・卒業生の保護者やご専門家が配食スタッフに入り、衛生講習会など準備を重ねられて、NPO法人『湘南食育ラボ』の設立が認可されたのです。
 
 食器やメニューの選定、販売方式などが検討されるとともに、授業や総合学習との連携をどう図るかなど、当時ユネスコスクール加盟をはたした中高パートの教育課題と合わせて、教員と保護者の話し合いが重ねられたことが特筆されます。

 開業へ向けた全校アンケートに基づき、利用頻度等の見通しから出食数の概要を把握し、当初は中高別曜日分けも試行され、生徒対象のガイダンスも進められました。まず中学生・高校生のランチ利用が根幹であり、在校生と保護者の理解と旺盛なご利用が期待されました。お弁当中心のご家庭にも週に何日かはご利用頂きたい旨お願いしました。
 また卒業間近な高3生には、在校時の利用が限られることを考慮し、受験勉強の応援もこめて「軽食タイム」が追加されました。卒業後は同窓生として気軽に利用し、仲間との旧交を温めてもらえたらと願いました。

 こうして湘南学園の生活に新たな食と憩いの画期的なスペースが誕生しました。「ラボカード」を使って注文方式は、現金は使わないので進行がスムーズでした。お母さん達手づくりの温かいランチを囲んで談笑する生徒達の様子が広がりました。在校生や卒業生が学園関係者が、誘い合ってカフェテリアで美味しいランチを楽しみ、くつろいでもらえる素晴らしい光景が出現しました。

 その後、お弁当の提供も全学に拡げていただき、小学校児童、幼稚園園児、中高生の皆さんや教職員の私達がお弁当でも注文できるようになりました。カフェテリアでは中高生だけでなく小・幼の学園生が利用できる期間も年間を通じて設けられ、クラスランチや学年ランチも広がりました。
 
 さて現在は、通常登校登園が再開され、カフェテリアの皆様には再び日々の出食でとてもお世話になっています。一方カフェテリアの全域に消毒液が置かれ、1席ずつ間隔を空けて着席する方式がとられ、飛沫防止の透明なボードも置かれています。3密を避け安心して食事が出来る環境です。お弁当メニューとの統一などでメニューは簡素化されましたが、お弁当の販売場所を広げていただきました。

 昼食時に、中高生の利用者がだんだん増えてきていることがわかります。屋内の共有コーナーや屋外のウッドデッキにも広がって、ゆっくりランチタイムを楽しむ光景に心が和みます。私自身も頻繁にお世話になり、ヘルシーで美味しい特製メニューを賞味させていただいています。
 コーヒータイムの準備もあります。湘南学園までお越しの際にはお誘い合わせの上、ぜひカフェテリアへお立ち寄りください。