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第185回 マイペースの努力で

2020年9月16日

 子どもは、さまざまな段階で「他の人はできるのに自分はまだできない」とか「苦手なことは何してもどうせ無理だと思う」といった劣等感を持ちやすいものです。
 中高生と話すと「勉強がはかどらない」とか「覚えるのが遅くて」といった声によく接します。人間それぞれのペースでいいし、ちゃんと努力すれば結果は出てくるから始めてみよう、続けていこうと伝えるのが大人の役割だと思われます。
 
 自分の場合も子ども時代、まわりの人より定着がおそいことがいろいろありました。
 たとえば、二輪の自転車に乗れることや、水泳で息継ぎが出来ることにけっこう時間がかかったことを覚えています。何度も練習してついにできた時の喜びは格別でした。
 教科では古文や理科が苦手でした。理解がおそいからと早めに復習を始め、試験でそれなりの結果が出るとほっとしました。不得意科目で苦労するのも経験になるものです。

 大人になると、ワープロや携帯電話など使い出すのがおそくて、最新機器をすぐに使いこなせる友人や同僚を見て、スローな自分をいつも自覚しました。SNSとは距離を置いてきましたが、必要なスキルはゆっくり着手して身につければいいと理解しました。世間の流行に乗れない分野もあるし、自分なりのライフスタイルを充実させ、必要なことは自分のペースで何とかカバーしていけばよいのです。
 
 若い人には、何でも同調してまわりに合わせることはないし、必要にせまられ始めたら、時間がかかっても気にせずマイペースで取り組んでみてほしいと思います。そもそも関心をもてない分野はパスすればいいだけです。
 膨大な情報に振り回されずに、自分の選んだ仕事や関心ある分野を大事に、いつも探究心を持って充実させてほしいものです。