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第196回 学園高校生への全学的な教育支援

2020年12月2日

 激動の2020年も12月に入りました。冬の到来も近づく中、学園生の皆さんの健康・安全と充実した生活を祈る日々です。

 今日は、コロナ禍で恒例の体験行事が中止となった学園高校生に向けて、他のパートや学内の団体から貴重な教育支援が届けられ、プログラムが復活したことについて紹介させていただきます。
 
 まず高校2年生の「幼稚園保育実習」です。毎年春と秋に家庭科授業の一環で学園幼稚園を体操着に着替えて訪問し、全身で園児と遊び、施設・環境や園児達の生活ぶりを観察し、学びの体験をレポートにまとめます。懐かしい母校の再訪問にあたる生徒もいますし、到着を楽しみに待つ園児に迎えられ童心に帰って関わるのは、総合学園の環境を生かした大事な教育プログラムです。それが今年は出来なくなりました。

 しかし幼稚園の先生方が発議してくださいました。この実習がなくなり落胆する生徒達がきっといるので少人数でも何とか受け入れて体験してもらいたいと。将来保育士を志望する生徒やずっと楽しみにしていた生徒が、その機会を設けてもらえるならぜひ参加したいと申し出ました。

 学園幼稚園で連日夕方行われている「預かり保育」に数多くの生徒が参加できることになり、11月下旬から1か月近い間、中高放課後の16時頃からほぼ連日、ひとりずつで実習することが実現できたのです。今月にはもう一度参加したいと申し出た生徒達を再び受け入れていただくことも決まっています。
 
 次に高校3年生の「テーブルマナー」です。これも家庭科授業の一環で毎年秋に横浜のホテルで洋食テーブルマナーの実習が行われ、将来の社会生活につながる大事な機会になっていました。これも今年はコロナ禍で実施できなくなっていたのです。

 しかし学園カフェテリアを運営されるNPO法人湘南食育ラボの皆様が、今年はこちらで実施しましょうと担当してくださることになりました。
 高3生はクラス別にカフェテリアで豪華なコース料理を味わい、マナーの実習を受けることが出来ました。

 見学した先週土曜日には午前中連続で3クラスの出食を用意され、その後に通常の全校ランチも対応されるという大変ハードな流れでしたが、ラボスタッフの大勢の方々が調理・配膳など作業を進められ、生徒達は特に分厚い高級ローストビーフに驚きながら、デラックスなフレンチのコース料理を笑顔で賞味していました。食器の追加購入やお品書きなどブルーで揃えた素敵なテーブルセットにもラボの方々の深い愛情を感じました。
 
 大事な体験学習の機会を奪われた学園高校生のために、何とか回復し保証してあげたいからという学内関係者のご支援に感謝するばかりです。総合学園の環境の中でこそ実現した動きとして心に刻みたいと思います。

 学園小学校の先生方からも、中高生の状況を心配して支援の機会があればとの声を受けています。縦割り異学年の交流体験を大事にする小学校では、特に6年生と1年生の連携が入学式から卒業式まで続きます。内部進学して中高生になった学園生は今も元気でいるかと、小学校や幼稚園の先生方はずっと心配し応援してくだいます。
 今年の高校2年生と小学校6年生はかつて小6と小1の関係で深い交流があったので、この時点で何か出来ればいいのだがと案じてもくださいました。双方のスケジュールが既に決まっている中、具体的なイベントの挿入には難しさもありますが、そうした学内の方々の幅広い愛情を受けて学園生が育っていくことに感謝と誇りの気持ちを強めるものです。