A Random Image

第200回 2021年の開始へ向けての願い

2021年1月13日

 新年最初の通信となります。本年もよろしくお願いいたします。

 2021年になって早々に、1都3県を対象とする緊急事態宣言が発出されました。
 学校の運営に向けては、感染対策指導の順守と強化が求められ、防止対策が難しい学習活動や行事などは中止や延期が求められています。
 本学園においても、日々の健康観察や健康管理の指導を徹底し、出席停止基準や届け出方法の改訂などを行いました。ご家庭との連携を更に密にして、学園生の皆さんの健康と安全を守る努力を強めていきます。

 幼小中高の各パートで今後実施予定の再検討や調整が進められ、並行して全学の定例会議で共通の対策や検討事項が協議されています。中高では部活動の基準変更や分散下校、完全下校時刻の変更等も行われました。各パートにおいてやむを得ず実施を断念するプログラムも出てきますが、園児・児童・生徒の皆さんの年度末の学びや体験を出来るだけ保障していきたい、との願いをもって取り組んでいきます。
 
 目を世界に向けるとコロナ感染の急速な拡大が止まらず、人類全体が大きな危機に直面していることがわかります。欧州を中心に全土や地域の都市封鎖(ロックダウン)が拡大され、大規模な経済活動の規制が続いています。多数の人びとが仕事を失っています。日本でも、この再発令によって営業ができずに休業や廃業を検討している方々が大勢おられます。
 そして、全世界の医療従事者の方々がどんなに深刻な状況で日々の激務にあたられているかを知る報道に接しています。ワクチンの接種が各国で開始され、使用効果が徐々に広がっていくことも期待されています。

 コロナ禍という未曽有の困難が長期化する中で、貴重な情報として専門家の方々の分析と知見にも接します。感染症と人類の歴史との間には長くて深い関係があり、感染症克服の努力が社会の新たな可能性を開き、免疫を獲得した祖先が文明を確立していった歩みも考察されています。
 人的な被害を最小限に抑えつつウイルスと早く共生関係に入っていくことが必要だとの見解も述べられています。そして「このパンデミックも必ず終わる!」と断言される専門家の方々のメッセージは強い救いになります。
 
 いま順守を求められる「3密の回避」や「個人間距離の確保」等の行動様式がこの先永久に求められことはないはずです。人間どうしが幅広く向き合って対話し、共に食事をして歌って踊ってというのは単なる楽しみでなく、人間としての生存を支えて社会の基盤となるライフスタイルの一部でしょう。便利なオンラインも新しい重要性はありますが、適切な位置が維持されるべきだと考えられます。

 持続可能な人類社会を再建していくという根本の課題があります。この2020年代は人類の存続に向けての重大な分水嶺になるとも指摘されています。悲観や絶望に留まれば未来はありません。特に学校においては、次世代の学びや体験を支えて挑戦を励まし、将来への希望を育んでいく責務があります。「子どもの幸福と成長」を最上位の目的として、皆さんのご協力によりこの危機を辛抱強く乗り越えていきたいと思います。