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第205回 様々な先生や大人との出会いの中で

2021年2月17日

 緊急事態宣言が再発令されて延長される情勢の中で、この間中高や小学校ではテレスタディやオンライン授業も実施され、登校再開後も校時帯の調整などが行われてきました。
 学園生のご自宅は、本当に広範な諸地域にまたがります。近くから遠くから皆さんが通園・通学して成り立つ学園生活の有難さをかみしめています。

 子どもは成長とともに人間関係を広げていきます。「タテ」「ヨコ」「ナナメ」と幾重ものつながりの中で対話や交流が広がり、援助して援助され、トラブルや和解も経験しながら将来につながる人間力が養われていくのです。
 学校とは、子どもにとって多様な人間関係を豊かに保障する大事な場所であると改めて確認する思いでいます。今回はそんな観点から湘南学園の環境を考えてみます。
 
 学校は子どもにとって、まず「いろんな友達」そして「いろんな先生」に出会う場所です。クラス担任の教員は一番近い存在ですが、中高まで進むと各教科担当や部活担当の教員との関わりなどが更に広がります。毎年変化のあるクラス担任以上に長いつき合いが続く教員に恵まれることもあります。

 湘南学園の教員の間で特に大事にされているのは、学年教員集団の協力・スクラムです。

 幼稚園では学年はもちろん全園で「チーム保育」が展開されます。園児が主役のあらゆる場面を通して園児一人ひとりへの気づきが共有され、皆でケアを重ねる中で子ども達のチャレンジやつながりが支えられます。
 小学校ではクラス担任の受け持つ授業が多く、終日を通して担任の役割が大きいですが、学年教員間の協力や話し合いも進展しています。学びの本質を追究する授業研究や振り返りが学年で大事にされ、学年行事や総合学習や遠隔授業の具体化では、コロナ禍にまけずに児童の学びを保障するため、学年の先生方の旺盛な取り組みが展開されました。

 中高では学年教員の人数も多くなりますが、クラスに何が起きても相互にカバーし合う動きは迅速です。スケジュールをどう調整して行事や企画を実施するのか学年の生徒達も活発に話し合い、先生方とともに模索が続けられる今年度でした。
 中高生から見ると「あの先生に相談してみたい」という選択肢はかなり広いものです。週に数度だけ授業で出会う非常勤の先生へ相談に行くこともあります。図書室にいる学校司書の教職員や、保健室にいる養護教諭や支援員、カウンセラーの方々が、最も頼れる相談相手になるケースもあります。小学校でも同様でしょう。
 学習進学担当や管理職の先生と会って進学進路のことで面談してもらうこともあります。部活動の顧問の先生からの指導や助言が心に刻まれ、卒業後も長い交流が続くことも多いものです。
 
 そして湘南学園には、学園生を「ナナメの関係」から見守り、サポートをして下さる大勢の方々がいます。中高生と全学の出食と食育やイベント支援でお世話になっているNPO法人湘南食育ラボの方々、独自の豊かなプログラムを通じて小学生の学びと成長に貢献されている放課後NPOアフタースクールの方々は、学園教育の充実に大きな貢献を寄せていただいてきました。日頃から学園生はスタッフの皆様との会話で励まされ、啓発していただいています。

 また事務や用務の方々も、様々な場面で学園生に声をかけサポートしてくださいます。校舎施設の警備をご担当の守衛の方々も、毎日学園生に対してご挨拶やお声かけに努めていただいています。「守衛さんに毎朝会えるのが楽しみです!」という学園生の声や保護者の安心や感謝のお声に接することもあります。
 
 このように湘南学園は、総合学園の環境の中で、様々な先生や大人と出会って関われる環境にとても恵まれています。学校では、子どもが気軽に相談できる相手がいろいろな場所にいて、自分からも選んで話せる機会を持てるという安心がとても大事であると考えます。そんな視点からこれからも皆様と学園環境の充実をはかっていきたいと思います。