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第206回 今春卒業を迎える全国の子供達へ

2021年2月24日

 今回は、現在進行中の、ある全国的なプロジェクトについてご紹介をします。
 コロナ禍の中で、卒業式における音楽演奏の自粛を余儀なくされる全国の子どもたちへ向けた、温もりあふれる「オンラインコンサート」の取り組みです。
 来月の11日(木)、東日本大震災から10周年の節目を迎える日に開催されるこの企画について、学園生や卒業生と保護者の方々、広く読者の皆様にご注目いただければと願って、この通信でも紹介させていただきます。
 
 「みんなで卒業式~輝ける君の未来へ贈る~」と題されたこのプロジェクトは、東京音楽大学の先生方と学生有志を中心に構成される実行委員会によって推進されています。
 全て寄付や持ち出しの財源により実施される予定で、クラウドファンディングを通じて開催費用の原資である500万円を目標に募金活動も開始されています(締切は3月19日)。
 
 根底にある願いは、コロナ禍で苦しんで来た全国の子どもたちに、せめて卒業という大切な時期に、最高の卒業式の音楽を届けたい、門出を祝い応援したい!との一念です。

 プロジェクト紹介のサイトでは、部活動も諦めて涙を流した子ども、慣れないリモート授業に悩んだ教師、日々苦悩する我が子にかける言葉を見つけられない家族、学校生活の想い出写真もマスク姿になる状況など、つらい日々を重ねてきた学校現場への寄り添いが記されています。
 「皆で歌う」ことすら出来ない不自由な学校生活の中で、人生の節目における音楽がいかに大切なものかを実感した今年だから、せめてフィナーレの卒業式にこそとの願いから、「オンライン卒業ソングコンサート」を全国の視聴者で共有してもらいたい!と思い立たれたのです。
  
 子どもたちにとって一生の思い出となる「卒業式の音楽」は、東京音楽大学からYouTubeでライブ配信され、その記録はアーカイブで公開される予定です。当日は無理な人でも後日に視聴できるのは有難いことです。
 当日の魅力あふれるプログラムはほぼ概要が決まりましたが、その他全国の児童・生徒のリクエストが特に多かった2~3曲(候補曲リストがあります!)が加えられる予定です。
 
 実行委員会のアドバイザーとして、東京音楽大学教授であり世界的な名指揮者として活躍されている広上淳一先生が、この企画を推進されていることを知り、感激いたしました。
 広上先生は、湘南学園の卒業生でおられ、母校のためにこれまで多大なご貢献を重ねてくださった方です。報道資料には先生の熱い呼びかけが掲載されています。

 ■応援メッセージ
  私たちはコロナ禍だからこそ、音楽大学の学生が社会に貢献できることを探しまし
 た。このプロジェクトは、小学校、中学校、高等学校の児童、生徒の皆さん、日本中
 の若い世代の皆さんに、音楽を通して勇気と希望をお届けする、愛情をこめた音楽の
 贈り物です。

指揮者・東京音楽大学教授 広上淳一

                 
 音楽大学の学生の皆さんもコロナ禍で演奏の機会が激減した中、特に卒業を迎える4年生の方々にとっても貴重な公演の機会になることが留意されます。

 紹介のサイトでは、10年間を経た東日本大震災と今回のコロナパンデミックという2つの苦難を通して「非常時における音楽の意味」を深く考える契機としたい、そして全国の若い世代の心をつなぎ、苦難の中でも前を見て歩き続ける全ての人たちへ力強いエールを届けることを目指したい、との志が記されていました。
 
 「輝ける君の未来へ贈る」または「歌のない卒業式」の語句からネットで検索していただき、プロジェクトの詳細を知っていただければありがたいです。そして当日のコンサート視聴にぜひ参加していただき、募金や選曲への応募でもご協力いただけると幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。