第209回 卒業生・卒園生の皆さんへ
今年度も大切な卒業シーズンを迎えました。
一年前の3月は全学臨時休校を延長して苦難の日々を過ごしていました。現在も緊急事態宣言が継続され、卒園式や卒業式も例年通りには実施できませんが、幼小中高各パートで心をこめて皆さんの門出をお祝いしていきます。
高等学校の卒業学年の皆さんは、コロナ禍と新しい大学入試制度に直面して、きっと想定外の苦労が続いたことでしょう。個性が豊かで自分の主張やポリシーをしっかり持つ諸君が多いなあ、という印象を持つ学年でした。生徒会の諸活動や各自の興味ある分野で企画し行動するパワーに接して、驚くことがたびたびありました。
中学校の卒業学年の皆さんは、この中学時代の成長ぶりが印象的でした。学園高校に内部進学する人達が多いですが、別の進学先を選んで新たな生活へ踏み出す人達もいます。学園時代の経験を生かして新たな出会いを大切に元気に歩んでほしいです。
小学校の卒業学年の皆さんは、活発で表現力豊かな学年のカラーが心に残ります。神私小音楽会の有志参加者がとても多かったことは特に印象的でした。“打てば響く”積極性が先生方から指摘され、学年フロアに行った時にいつも感じた人懐こい雰囲気も思い出されます。
幼稚園は、昨日の卒園式と本日の修了式でひと区切りとなります。今回は特に年長さくら組の園児達の、卒業までのドラマにふれたいと思います。
卒業までに「さくらさん全員で達成する体験」が大事にされました。大縄跳びの入り込み跳びをみんなで連続で成功させる「さくらチャレンジ」に園児達は夢中になりました。声かけや励ましの中で練習を重ねて友情を深め、ついに59名全員で成功させて「やったぁー!」と大喜びをともにしたのです。また各自が「卒業までにやりたいこと」を考えて実行し、さらに皆で実現したい学年企画として、『ほしぞらデイ』の目標を立てました。
今年はコロナで「お泊りわくわくデー」は出来なかったけど、夜までみんなでわくわく遊べる一日をつくれたらいい!と話し合いを続けました。先生方は子ども達の思いを支えました。それぞれお家で自分の気持ちを伝えて承諾をもらい、幼稚園中の先生方の承諾も得ました。私の所へもみんなで説明に来てくれ、快諾すると大歓声をあげてくれました。
12日当日のプログラムは夜まで盛りだくさんでした。好きな場所でお弁当、園児vs先生のドッジボール大会、おやつタイム、おばけやしきタイム、ラボの皆様が愛情いっぱいに用意して下さったカフェテリアの夕食、食後の探検、そして花火タイム。幼稚園ホールで園生活の歩みをご覧になった保護者のお迎えを受けて帰宅となりました。
そして16日、今年度は想い出いっぱいの園庭で、お母様やお父様に見守られて『青空卒園式』が行われました。元気いっぱい心をこめた「お父さんお母さんへの言葉」にも胸が熱くなりました。
湘南学園卒業生・卒園生の皆さんには、コロナ禍のこの一年間の経験も、これからの長い人生でプラスとして生かしてほしいと思います。
当たり前だったことが出来なくなって、ふだんの日常生活や人間関係の有難さが実感できたはずです。自分で工夫して出来ることをする。友だちと相談して新たな取り組みを実現する。その体験が貴重です。
人生の節々には想定外の事態にぶつかることもありますが、そこで自分の考えをしっかり持ち、周りの人を大切にして協力し、一歩前に踏み出すチャレンジを重ねられます。大人も子どもも同じ課題に向き合っていくのです。
「学園長通信」は、今年度は毎週水曜日を基本に発信してまいりました。学内学外の多くの皆様方に読んでいただき心からお礼を申し上げます。ご感想やご意見などございましたらぜひお寄せください。
新年度は4月14日(水)から通信を再開する予定です。新型コロナをめぐる厳しい情勢が依然として続きますが、もう桜の開花をはさんで春爛漫の季節がやってきます。近隣の花々にも目を向けながら暮らしていきたいものです。
皆様どうかお身体を大事にされて、お元気でお過ごしください。