さ・き・ほ・こ・れ
学園のホームページにいろいろな方が注目されていることはうれしい限りです。幼、小、中高からなる総合学園として、学園の教育活動にご理解を深めていただくためにも、引き続きホームページからの発信を大切にしていきたいと思います。
数日前、懐かしい方から手紙を頂戴しました。以前勤務していた高校の保護者の方からの手紙でした。ホームページの「学園長からのたより」を読まれてのお便りをうれしく拝読しました。4月以降折々にお読みいただいている中で、特に8月の文章についてのご感想が記されていました。
今春社会人となられた娘さんが大学時代留学された時の経験を踏まえ、私が述べたリベラルアーツの重要性について共感を覚えますとありました。もうひとつ、やはり先月号に記した温泉旅館にその方も行かれ、大いに満足されたということ、併せて、長く続けていく努力、その難しさなどを感じられたということが書かれていました。
丁寧に記された手紙を何度も読み返しながら、ホームページのもつ力を感じています。
そして、私自身もまた、ホームページからの発信を大事にしていきたいと思っています。
9月1日、幼稚園、小学校は二学期がスタートしました。ちなみに、中高は二学期制をとっています。
9月1日の「幼稚園日記」には、夏休み明けで登園した園児が、幼稚園にいる生き物を気に掛けている様子が記されていました。以下は、日記の一部です。
幼稚園に出向くと、子どもたちがちゃぼ小屋に案内してくれました。案内の途中からそしてちゃぼ小屋の前で、子どもたちが一生懸命に説明してくれます。5月に誕生したひよこのすっかり成長した姿にある種の感動を覚えながら、一生懸命説明してくれる子どもたちが、夏休みを経て一段と成長していることを感じとらせてもらいました。
9月20日、幼稚園年長組と小学校5年生の交流会が開かれました。園児が小学校を訪問し、一緒にお弁当を食べるという交流です。
最初はお互い少し緊張気味にも思えました。しかし、そこは5年生、園児をリードする中で、次第に打ち解け、和やかな雰囲気が醸し出されていきました。
ご家庭の愛情が感じられる美味しそうなお弁当を食べ終わった後は、「SCHOOL ADVENTURE」というプログラムの開始です。企画をされた5年生の担任の先生の学級通信には以下の紹介がありました。
“ 学校中を冒険しながら、先生達に会いに行き、宝物(サインやハンコ)をゲットしにいくプログラムです。”
先生方が優しく語りかけながら対応され、私も喜んでサインをしました。5年生の児童と園児がペアになり、お願いする際は5年生がサポートしてくれるので園児も安心して頼むことができます。
たくさんのサインやハンコが記された紙を大事に抱えて年長さんたちが笑顔で小学校を後にしました。
本学園小学校では、入学式のときのエスコートを皮切りに6年生が1年生とペアになり活動するペア活動を行い、互いの成長を図っています。5年生は半年後には最上級生として、ペア活動のリード役を務めることになります。来年度へ向けての準備、同時に5年生の更なる成長を図るという今回の取組は、総合学園としての本学園ならではの企画として今後もぜひ継続してほしいと思っています。
6月の「学園長からのたより」で紹介した高校生と幼稚園児の家庭科の授業をとおしての交流、さらに、今回の小学生と幼稚園児の交流を見ながら、校種を越えた交流の意義を強く感じています。同時に、幼小中高からなる総合学園としての魅力と可能性をより一層高める工夫を進めていきたいと考えています。
9月に入り、さらに9月も終わりに近づき、小学校の「たいいく表現まつり」の練習が本格化してきました。
小学校では、運動会を「たいいく表現まつり」と呼んでいます。「たいいく表現まつり」は、1年生から6年生まで各学年ごとに民舞に取り組む「表現の部」と競技種目で競う「運動の部」から構成されています。
民舞や競技の練習に加え、「なかよしタイム」の中で、1年生から6年生の縦割り班での応援練習を行なったり、児童会各委員会での話し合いが重ねられるなど、児童を主人公に小学校全体で準備が進められています。また、今年は、2年生の「花笠踊り」では、本場山形から山形花笠踊り協議会の会長さんをお招きし、花笠踊りについてのお話を伺い、また踊りのご指導をいただくなど、より高みを目指す取り組みも行われました。
10月8日の「たいいく表現まつり」、今から大いに楽しみにしています。
中高では、9月から高校に新たな留学生をお迎えすることになりました。フランスからの留学生マリーヌさんです。
本学園ではロータリークラブの交換留学生として一昨年度、昨年度とブラジル、スウェーデンから留学生を迎え、一年間有意義な学園生活を送ってもらいました。一方、本学園生がブラジル、スウェーデンに一年間留学し、それぞれ視野を広げ大きく成長して帰国しています。今年も、学園生が交換留学生に選ばれ、フランスでの意欲的な留学生活を開始しました。
高校生の年代に異なる文化に触れること、あるいは異なる国の同世代の人と交流することは、貴重な経験であり、またとない学びになると思っています。留学する本人はもとより、受け入れた留学生と一緒に学ぶ他の生徒にとっても貴重な学びの機会になり、成長や視野の拡大につながっています。
9月10日にはマリーヌさんの歓迎会が開かれました。温かな雰囲気のレセプションにおいて、マリーヌさんも日本語の素晴らしいスピーチを行なってくれました。マリーヌさんにとって、そして本学園生にとって共に成長できる一年間にしてほしいと願っています。
今月は、本学園の姉妹校であるオーストラリアのノックス校の生徒、先生方が、「ジャパンツアー」で来日しました。
ノックス校とは、学園生が毎年夏休みにオーストラリアセミナーで訪問し、そこで知り合った仲間が9月に本学園にやって来るという形での交流を行なっています。さらに、学園生で希望すれば、中期、長期の留学生としてノックス校に受け入れていただくという制度もあります。
18日の歓迎会では学園生がバンド演奏やパフォーマンスで歓迎し、ノックス校の生徒がピアノ演奏や合唱を披露するなど、楽しく打ち解けた交流会になりました。
ノックス校の皆さんは、その後一旦京都、大阪方面を訪問し、再び藤沢に戻り、また本学園生と一緒に茶道や生け花などの日本文化体験、さらに江の島、鎌倉遠足等を楽しみました。
ノックス校との交流には、ホームステイの受け入れ先となってくださる本学園保護者の皆様のご協力が大きな力となっています。いろいろな方の支えがあり交流が継続できていることに感謝したいと思います。
交換留学、あるいはノックス校との相互訪問は、本学園のグローバル教育の一環として取り組まれているものです。グローバル教育は本学園の重要なテーマであり、積極的な工夫・改善により、一層の充実を図ってまいります。
中高は、年間最大行事の一つである学園祭の準備が追い込みの段階に入っています。
今年のテーマは「咲き誇れ」。生徒会作成の学園祭要綱によれば、「学園生みんなを花に例え、一人一人の個性を発揮して咲き誇れるような学園祭にしたいという願いが込められている」ということです。一方で、外にも目を向け、「東日本大震災や熊本の震災で被害に遭い、苦しい思いをされている人たちにも笑顔を咲かせてもらいたい。そのために、私たちにできることはないのかを考え、なにか実行したいと思っています」とも書かれていました。
そのような意味の込められた学園祭。10月1日、2日を大いに楽しみにしながら、学園祭パンフレットの挨拶文の最後に、私からのエールを「さ・き・ほ・こ・れ」に託し、57577に詠みこみました。
さあ行こう
きみ(君)の理想の
ほし(星)目指し
こんなん(困難)乗り越え
れきし(歴史)を刻め
この言葉は、学園祭へのエールであるとともに、幼、小、中高、湘南学園生全員の今後への期待を込めたエールでもあります。