私立小学校教員の学びの場~湘南学園小学校を会場に私立小学校教員研修会開催

2014年11月21日

第56回関東地区私立小学校教員研修会開会式

 学びの秋の一日、湘南学園小学校が加盟する日本私立小学校連合会、関東地区私立小学校連合会による第56回関東地区私立小学校教員研修会が、千葉・埼玉・神奈川・静岡から36校、700名を超える先生方にご参加いただき、湘南学園小学校を会場校として行われました。内容のあらましは以下の通りです。

 午前Ⅰ:湘南学園小学校の全学年・クラス授業の公開。多くの先生方が見学されるなか、子どもたちは多少緊張の様子は隠せませんでしたが、いつも通りの伸びやかな姿勢で先生方と共に学び合う授業空間をつくってくれました。

 午前Ⅱ:開会式・表彰式。主催者側を代表して関東地区私立小学校連合会の齋藤副会長、来賓として日本私立小学校連合会清水前会長と神奈川県県民局次世代育成部南雲私学振興課長からのご挨拶などをいただきました。私学教育を支える一員としての高い自覚を改めてもつ機会となりました。

 午前Ⅲ:全体講演。「想定外を生き抜く力を育む防災教育~学校・家庭・地域で取り組み命を守る絆の防災~」をテーマに、「釜石の奇跡」で有名な、片田敏孝群馬大学大学院理工学府教授に記念講演をしていただきました。片田講演は、改めて「釜石の奇跡」のなかで子どもたちが自主的避難行動にまでつなげた防災教育の重要性について強調されていたのが印象的でした。中学生が小学生をそして幼稚園児に声をかけ、避難する教育にまで高めたこと、また保護者がわが子は必ず避難するという確信をもつことにより、児童生徒のみならず保護者などの被災による死亡率を低く抑えることができたことなどを学ぶことができました。そして何よりも、その防災教育の先頭に立つのが私たち教員であることも、参加者が一致して共感するところであったといえましょう。

 午後は、部会別研修会として、各教科を含め16部会を開設し、それぞれの部会に参加いただきました。終了予定時間を超える部会もあり、意欲的で熱心な研修会になったといえます。

筑波大学附属小学校の先生による示範授業

 ここ湘南学園小学校に集った関東地区私立小学校の各先生方は、それぞれに自校の「建学の精神」をしっかり抱き、より豊かな私学教育の在り方を学び考えこれからに生かすために真剣な姿勢で臨んでいたのが印象的でした。それぞれの私学は歴史的に培ってきた特色ある教育を展開し、その伝統を築き上げてきました。そうした中にあって、私たちの教員研修は大きな意味を持ちます。その理由は,教員文化の変容とも係りますが、先輩の団塊世代の先生方の退職に伴う、広い意味での教員文化継承・創造が若手を中心に多くの先生方にも課題としておかれているということです。教員は、絶えず教育現場から学び考えより豊かな教育を再構築していきます。学年・クラスの状況が日々変化していく中で、新たな教育実践を創造する糧として、学内諸組織における教科教育などの総括と次年度にむけた課題確認共に不可欠なのが、小学校教員間の学び合いの場、研修会であるといえます。私立小学校の先生方が自校の教育をこうした研修会の折々に改めて見つめること、そしてこれまでの自校教育をさらに進める上での新たなヒントを得ることは、私学教育全体のより高い質の保障につながるのではないでしょうか。

 本研修会会場校の湘南学園小学校の先生方も、湘南学園小学校教育の新たな高みを築く上でのヒントを得たに相違ありません。

公開授業のようす

公開授業のようす