ふるさと1

2013年4月15日

一人の人間の生涯を考えた時に、「ふるさと」とは必ずしも一つではありません。私自身にも「ふるさと」と言えるなつかしい場所がいくつかあります。そこにいけばかつて交流した懐かしい人々が今も生活しており、町の風景は変わっても、その面影がどこかに色濃く残っているものです。この風景の中で確かに暮らしていた、空気のような記憶がたまらなく懐かしく思えます。

還暦もとうにすぎた卒業生の皆様の多くは、私にとっては人生の先輩にあたります。こうした先輩方との交流は、私にとっては友人とはまた違った意味での日々を生きる支えであり、また楽しみでもあります。新しい校舎をご案内するときに、そのあまりの変わりように「すごいですねえ」と感想を述べられる裏で「懐かしさとともに一抹のさみしさ」もまた感じられているのだろうと思います。今日紹介する二枚の写真は、当時の面影を残すモニュメントです。二階のテラスにあるのは、新校舎建築の際に伐採した木と、それを利用したチェアーです。また「学びの森ービオトープ」の井戸は、実は戦前から同じ場所にあった井戸をポンプでくみ上げ、ビオトープの水源として利用しています。

※この稿明日に続く