着衣泳は命を守る!

2015年7月17日

着衣泳は命を守る!
~暫しの夏らしい陽光のなかで~

 6、7月に予定されていた水泳授業は、平均すると1/3程度が雨と低水温などにより、実施を取り止めにせざるをえませんでした。「絶対泳ぎたかったのに」という子どもたちの苦い表情が印象的です。

 その梅雨空がしばし夏空に取って代わり、子どもたちの表情も、夏空のそれとマッチングするように、明るく大らかな表情になりました。いよいよ水泳授業の締めくくりとしての「着衣泳」です。

 サマーシーズンには水のレジャーは付きもの。ましてやここ湘南の鵠沼はマリーンスポーツの一大メッカといえるスポットの1つとして、つとに知られています。海水浴や川遊びなどに係り、毎年のように水の事故が伝えられます。年間に水難事故で死亡・行方不明になる人の数は800名を超えるといいます。なかでも洋服を着た状態で溺れてしまうケースが少なくありません。そうした時には、「Uitemate(浮いて待て)」が合言葉になっています。つまり、水に浮いて呼吸を確保し、救助が来るのを待つ「着衣泳」が有効というのです。この「Uitemate」は海外にも広がっています。

 湘南学園小学校でも「着衣泳」の指導がありました。場所は小学校屋上にあるプール。指導に当たられる方は、ライフセービング鵠沼西浜の方々にご協力をいただきました。一見すると服や靴は水の中では重そうに感じられますが、浮力にもなり、体温保持に効果があるので、服や靴は脱がずに、「Uitemate」といいます。浮き方には、背浮き、ラッコ浮きなどがあり比較的簡単にできるようになります。慌ててしまうと、恐怖感にかられて泳ぎやすいようにと服や靴を脱ぎ捨て、声を出して助けを呼び、岸に向かって泳ぐなどして無駄な体力を使ってしまうことも多く溺れる条件を加速させてしまいます。慌てないためにも、こうした「着衣泳」の訓練を積み重ねていくことが、いざという時に自らの命を守ることになるのです。

 屋上からは、湘南・鵠沼からのロケーションが、強い日差しの中ではっきり見えていました。本格的な夏はすぐそこまで来ているようです。