震災から学ぶ命の尊さ

2016年12月5日

 第61回の幹部研修会は、「未来を担う子どもたちのために~生き生きと生活する子どもの育成を目指して~」を主題にして、北海道・東北地区私立小学校連合会の先生方のご尽力によって仙台で開催されました。
 
 仙台は、私にとって「仙台七夕まつり」「東北の夏祭り」へ行く際に、必ず立ち寄る場所でした。旅行好きの亡き父と一緒に松島海岸の夜景、伊達正宗公、海水浴など思い出の地でもあります。また「ソーラン節」の旅を求めて北海道へ行く時に、仙台港・苫小牧ルートで車を積み込み、海路を楽しんだ思い出のシーンも浮かびます。今回は、思い出と対比して、目の前にある現実にことばを失い、現地に来なければ分からなかったこと、テレビでは見ることの出来ない景色・ありさまを目に焼き付け、心に刻みました。
 
 東日本大震災から5年と9ヶ月ほどが過ぎ、各地で復興が進み、子どもたち含めて人々の生活も当時とは大きく変わってしまった現実。今回、84人もの児童が津波の犠牲になった石巻市大川小学校に伺い、犠牲になった児童や先生方、住民の方々に献花し(花を手向けて)ご冥福をお祈りしました。
 
 南三陸町の復興についても現地で様々なお話を伺いました。映画「生き抜く」のいくつかのシーンが蘇ってくることもありました。「想定外を逞しく生き抜くことの大切さ」「心を強くもつこと」「津波てんでんこ」「自分の命は自分で守ること」「自分の命が助けられないと相手も助けられないこと」「現場力の強化」「あきらめないで、何とか踏ん張り抜いてほしいこと」。様々な話を伺い、「命の尊さ」について、深い学びのある3日間の研修会となりました。
 
 私は私立小学校の責任者として、子どもたちの命を守る責任があります。その責任の重さを十分にかみしめて、普段から的確な判断が素早くできるように常に意識していなければなりません。現地でのフィールドワークが中心の今回の研修会を通して、東日本大震災から多くのことを学ぶ貴重な時間でした。本校に置きかえ、可能な限り安全な場所とするために判断力を高め、児童が安心して明るく生活できるように努力していく必要があると痛感しました。
 
 全国の校長先生(教頭他)が仙台に集まり、各校の様子を語り伺えたこと、ありがたい機会となりました。踏ん張っている姿を目の当たりにしましたから、今後に繋げてまいります。