「本気」で向き合う ~子と教師・学習発表会~

2017年3月9日

 昨日の4年生の学習発表会で、子どもたちが本気で歌っています。教師がその横で見つめています。指揮をしています。ピアノを弾いています。とても温かい目で。

 4月。4月の出来事を語り、4月にクラスみんなで歌った歌を本気で歌っています。

 5月。5月の出来事を語り、5月にクラスみんなで歌った歌を思い出しながら歌っています。6月、7月と続きます。1年間を月ごとに語り、その月の歌をクラスのみんなで「本気」で歌い、先生が子どもたちを見つめながら、指揮をしています。子と教師が真剣に向き合う姿、「本気」度に、聞き手の我々参観者も心で聴いています。

 言葉はいらないようです。

 お父さんが立ち上がってビデオを回し、お母さんも頷きながら、写真を撮っています。時々目頭をおさえて。親が子どもの成長を目の当たりにしている静の時間。親子が向き合う大事な、しっとりした時間でした。

 この1年のことが走馬燈のように駆け巡り、心にズシンと響く感じを味わっていた時、ある子と目が合いました。その瞬間お互いの涙が溢れましたが止められません。いろいろな4年生の時間があったから。大変だった時を思い出し、少しずつ歩み始めた今年を思い返して「えらかったよ」と、心の中で声をかけました。あの時、子どももお母さんも大変でした。一緒に困りました。抜け道、逃げ道を探し、語り合った日のことが頭に浮かびます。子どもは確実に成長しています。そして親も「親業」を積み重ねています。全て白紙にはできないけれど、許すことも教えていかないと、親の後ろ姿を子どもが見ているから。

「お母さん、違うでしょ」と、残念ですが子どもに怒られてしまう時もあるのですよ。

 子どもは素直に学んで成長し続けます。だから、親も素直でないといけないと最近の私に思うのです。そうでした。子どもは親の吸い取り紙ですから、親は見られていました。