ブックトーク

2013年12月13日

5年ひしょう組のお母さん方の読み聞かせの会に参加させていただきました。今日は読み聞かせではなくブックトークとして、宮澤賢治「銀河鉄道の夜」山中恒「おれがあいつで あいつがおれで」の2冊を選びました。テーマはエロスとタナトスです。「生」「死」というテーマに思いをはせはじめるのが5年生くらい、前思春期です。広く知られているように、この二つのテーマは、いわば裏表のもので、思春期の大きなテーマなのですが、小学生の読書としては現在でも中々良い作品にめぐり合うのは難しいテーマだと思います。「銀河鉄道の夜」に出会ったのは六年生でしたが、読書を通じて「死」というテーマに向き合ったという実感ははっきりと覚えています。「おれがあいつで あいつがおれで」は大林宣彦監督の「転校生」の原作ですが、テレビドラマにも何回かリメイクされた名作です。原作も、映画も、思春期を見事に描いた名作中の名作だと思います。読み聞かせのお母さん世代の中にも、山中さんの作品や、大林監督の尾道三部作をご覧になった方も多く、子ども達も母親を通じてこれらの作品を知っている子が何人もいて、私にとっても楽しいブックトークとなりました。