チョサロッサ

2014年1月29日

私が高校生だったころ、フォークソングが大ブームだった。友人と二人で「フォークソングの神様」と呼ばれていたピート・シガーさんの武道館でのコンサートに行った。コンサート終了後、二人で楽屋に足を運んだ。今では考えられないことだが、誰にも止められずにすいすい入れたのだ。ピートさんはちょうど愛用のバンジョーをケースにしまうところだったが、楽屋からにこにこと出てきて「ついてこい」と声をかけてくれた。、あとについて武道館の外へ出た。コンサート帰りの人たちも集まって即席の野外コンサートが始まった。「これからみなさんと、アフリカンソングを歌おう。私についてきなさい」とピートさんは言った。「チョッサロッサ」という歌を三部にわかれて歌った。その歌と40年以上たってからまたであった。それはFEEの審査(グリーンフラッグ)で日本に来ていた南アフリカの役員の方から本校にいただいた「アフリカンソング」のCDに入っていたからだ。そのCDにはミリアムマケバの「パタパタ」も入っていた。アフリカの音楽に多くの人が触れるさきがけとなった曲だ。先日ネルソン・マンデラ氏が亡くなった際、ニュース番組、追悼番組の中で何度も「チョッサロッサ」が流れた。そのときピート・シガーさんはまだお元気なのだろうか、ということが何度も頭をよぎった。停年94歳世界中の人から惜しまれながらの逝去だった。フォークソングの巨星、公民権運動以来のアメリカの良心、マンデラさんの死と前後して二人の人類の恩人を失った。