2022 4年生 柳田理科雄先生 特別授業

2022年9月8日

 湘南学園小学校に特別講師として、柳田理科雄先生が来てくださいました。柳田先生は「空想科学読本」の著者で、マンガやアニメや特撮などの世界に出てきたものについて、科学的に研究する試みを続けています。「アルプスの少女ハイジ」に出てくるハイジが乗ったブランコは、とんでもない速度が出ているという話題を耳にしたことがある方も多いでしょう。

 今回は、4年生に「昔話のフシギを科学的に考えよう」をテーマとした特別授業をしてくださいました。柳田先生は小さい頃からお話の中に出てくる事物や現象を不思議だなあと思うことが多かったそうです。そして、科学を学ぶ中で、一つずつ確かめてみたいなという思いをもち、自分なりに解決することを始めたとのこと。そして、本を出したり空想科学研究所を作ったりするまでにいたったそうです。

 今回、柳田先生は2時間に渡って特別授業をしてくださいました。前半は、昔話の桃太郎を題材に考えを深めていきました。大切にしていることは「疑問をもつ」「解決するための材料を探す」「自分なりの結論を出す」という姿勢。自ら問題を探求する姿勢の大切さを繰り返し、子どもたちに伝えてくださいます。そんな柳田先生のお話を、子どもたちはとても集中して聞き入っていました。

 授業の前に、子どもたちは担任の先生と桃太郎に出てくる疑問を考えていました。たくさんたくさん生まれた疑問の中から、特に2つのことを考えていきました。例えば、桃の大きさ。桃太郎が入っていた桃の大きさを計算してみると直径が80センチメートル、重さはなんと240キログラムにもなります。そんな大きさの桃を抱えるおばあさんってすごいですよね。実際にそう考えて作ってくださった「科学的に正しい桃太郎」と改変した話を聞かせてもらうと、登場した怪力のおばあさんに子どもたちは大笑い。楽しく授業は進んでいきました。

 後半は、桃太郎として鬼退治にどんな動物を連れて行くか、グループごとに話し合いました。インターネットで調べながら考えをまとめていきます。ベスト3を決めるときに大事なのは、その理由。いろいろな生き物の名前が出てきましたが、柳田先生は理由を詳しく求めました。体重が重たい、体が大きい、強い毒を持っているなど、生き物の特徴がどんな強みとなるか考えを深めていきます。一種類ずつ確かめては、柳田先生が鬼退治をするときの戦い方をお話ししてくださいました。

「科学的に正しい桃太郎の話に出てきた、怪力になったおばあさんが面白かった」
「猿、キジ、犬を連れて行く代わりにヒグマ、ワシ、イノシシを連れて行った桃太郎はどうなったのか気になります」
「柳田先生は、面白い先生でした。先生ありがとうございました」
子どもたちは、楽しげに授業の感想を話してくれました。

 科学的な見方で物事を考える面白さを教わった授業でした。柳田先生、ありがとうございました。