修学旅行「メモする力」

2016年6月6日

 3泊4日、奈良・京都の歴史学習を通して、子ども達の「書く力」と「優しさ」が印象に残っています。話を聞くことの連続でしたが、「子ども達がよくメモをするので驚きました。」「よくお勉強をしていますね。熱心に聴いてくれました。」と、今回お世話になったボランティアガイドさんから、嬉しいお言葉を沢山いただきました。

 日常と違う空間に身をおいて、行くところ行くところで感心されるということは、本物のメモする力が備わっている証と言えるでしょう。本校の子ども達の修学旅行での「メモする力」は、初めて引率した時にも驚きましたが、今年の6年生も良くメモをしていました。実は子ども達だけではなく、先生方もメモをしていたのです。
 聴いたことを文字にしたり、見たものをスケッチしたり、ある先生はバスガイドさんのお話までメモをとり、あとで振り返っていました。メモが出来ることは強みと思っていた矢先に、「メモはしないで、今しっかり聴きなさい」と、あるお寺で言われたことが印象に残りました。

 私はというと、一番後から全体を見守る役に徹しました。メモを取っている子ども達に「早く進んで。」「時間ないから、急いで。」という嫌な役でしたが、「もう時間ですか?」「もっと見たいなぁ。」という“貴重なつぶやき”を耳にして、子どもたちの成長を感じられて嬉しくなりました。
 積極的に学ぶ子ども達とともに過ごした時間の中で、「子ども達を育てる仕事なのだ」と言うことを再認識した4日間。寝食をともにして、同じ釜の飯を食べる一体感は人を成長させますね。その大切さを改めて実感しました。
 
 あるお寺でこんなお話を伺い、今も心に響いています。

 「…無駄か否かは、その場その場を一所懸命にやった人にしか言えないことば、無駄なことをいっぱいしてきた人は、その回り道が無駄であったことがわかる…。一所懸命にやっていない人には、そのことが無駄か否かすらわからない…。」

 今回の修学旅行を単なる思い出にすることなく、仲間とともに一所懸命学んだことが、これからの成長につながっていくことを期待しています。