冬景色

2022年2月2日

 如月に入りました。同じ読み方で衣更着とも言われています。まだ寒さが残っていて、衣を更に重ね着する月という謂れからそう呼ばれています。
 朝のピロティは足先がキンキンに冷え、風が抜けると背中が丸まってしまいます。登校して来る子どもの中には、そんなに薄着で大丈夫なの?と思ってしまう子もいます。「校長先生、いつも寒い中ありがとう。」と携帯カイロを差し出してくれた女の子がいました。その優しさに心まで温かくなりました。

 寒い中、半袖半ズボンで体育をしている子どもがいます。小グラウンドでは2年生がリレーをして身体を温めていました。大きな声援も聞こえてきました。小ホールでは5年生がマットで壁倒立とブリッジをしていました。壁倒立は少しコツを掴むと、身体の軸が安定してキレイな形になりました。



 
 校舎内を巡っていると、3年生教室から歌声が聞こえてきました。教室へ行くと、卒業式に歌う曲『大切なもの』(作詞・作曲: 山崎 朋子)を歌っていました。この曲を聴くと、東日本大震災のときにお父さんの仕事で福島県へ転校して行った女の子を思い出します。あのタイミングで家族を連れて福島県へ行かなければならない切なに、お父さんの心が締め付けられていたのを僕は知っています。女の子の大きな瞳から溢れる雫が今も忘れられません。

がんばれ 負けないで そんな声が聞こえてくる
ほんとに 強い気持ち やさしさを教えてくれた
いつか会えたなら ありがとうって言いたい
遠く離れてる君に がんばる ぼくがいると

 クラスのみんなで歌って送り出しました。
 冬景色の学びの森はいつになく静かです。木々の葉は落ち、藤沢めだかの池も鏡のように校舎と冬の空を写し出しています。さくらんぼの枝に小豆色に膨らんでいる小さな芽を見つけました。まだまだ寒い日が続くと思いますが、少しずつどこかで春が近づいています。