幼稚園ホールは海の中

2015年2月6日

幼稚園ホールは海の中
~湘南学園小学校2年生「オペレッタ・スイミー」~

 湘南学園小学校2年生の子どもたちが、湘南学園幼稚園の子どもたちに、オペレッタ「スイミー」を幼稚園ホールを会場に演じてくれました。リハーサル時にはやや緊張した表情の子どもたちでしたが、いざ本番となると、溢れるばかりの表現力で、「スイミー」を構成してくれました。幼稚園の子どもたちは、小学2年生の演技と歌の一つひとつに、目を見張り、聞き入っていました。マグロに多くの魚たちが食べられてしまうなか生き残るスイミー、うなぎに追いかけられるスイミー、よし!僕が目になろうといって構成したスイミー(魚の集団)がマグロを撃退するなどの各場面では、幼稚園ホールがまさしく演技者と観客が一体化した劇空間として感じ取ることができました。

 オペレッタ「スイミー」を演じてくれる、こんな素敵なお兄さん、お姉さんのようになりたいという気持ちが湧いてくる。幼稚園の子どもたちにとって、そのような劇空間といえるものだったのではないでしょうか。

 オペレッタ「スイミー」が終了したのですが、すぐに拍手はでませんでした。それは、まだ続けてほしいという幼稚園の子どもたちの声だったのでしょうか。最後にトトロのテーマソング「さんぽ」を小学2年生と幼稚園の子どもたちが、全員で合唱して終了しました。こうした経験を通して、小学2年の子どもたちは幼児期の自らを振り返り、今の幼稚園の子どもたちへの接し方、表現の仕方を含め、分かること、楽しいこと、つながることの意味を会得していくのかと考えます。

 このオペレッタ「スイミー」は、事実上、幼少中高を併せ持つ総合学園としての、幼少連携・接続プログラムの1つといえるものです。「小1プロブレム」「中1プロブレム」という問題指摘がなされていますが、そうした問題解決のあり方において、総合学園としての各教育課程の固有性を生かしつつ、それを突き抜けた連携・接続・一貫に基づく教育プログラムは、建学の理念に適うものです。

 最後に、幼稚園副園長が、まるで幼稚園ホールは海の中にでもなったような、という感想があり私も同感しました。いましばらく、この「海の中」にいたいと思ったのは、私一人だけではなさそうでした。