「いじめ」を考える

2012年10月12日

「いじめ問題は10年ごとに打ち上げられる花火みたいだ」とある評論家が書いていました。なるほど「いじめ」が社会問題化し、マスコミが報道し、教育行政が対策に追われるうちにいつしか忘れ去られて・・・そういう現状を批判した文章なのでしょう。しかしどうも今回は統計的にも異様に問題が多発しているようで、私も強い危機感を感じています。いじめ問題の裏には社会的な根があるので、特効薬も、これならという対策もありません。日本中のどの学校でも起こりうる問題だと言う認識がまず大事なのです。それを前提として私は考えられるリスクを確実につぶしていくことが結局は有効な対策なのだと思います。教職員の研修、児童生徒へのアンケート、カウンセリング体制の充実など、特効薬はないのですから、出来ることには取組み、全体としてリスクが軽減されることが大事だと考えています。

湘南学園小学校としては、これらのことに加えて、子どもたちどうしの関係性がどうなのか、ということに注意を払いたいと思っています。本校は「子どもらしい生活が豊かな学力に結実する」という教育方針を持っています。したがって子どもたちを不必要な選別と競争の環境の中に置いていません。そのことは結果的に「いじめリスク」を低めていることは間違いありません。「いじめ」はもちろん本校でも起こりえること、その緊張感を保ちながら、今後も一つ一つのリスクと向き合っていきます。