避難訓練を積み重ねて

2018年2月22日

 「自ら考えて行動する訓練」の積み重ねとして、今年度6回目の訓練を本日行いました。

 今日の訓練は、「相模湾沖地震が起こり、津波が発生したことを考えての避難訓練です。訓練で一番大切なことは、「どれだけ真剣に行動したか」「真剣にできたか」です。
 
 お昼休みに地震発生(想定)。「自分の身は自分で守ること」「一人ひとりが自分の身を守ること」は頭ではわかっていますが、その場でのとっさの判断・行動が真剣にできたか、考えてみましょう。

 すぐに頭を守り、避難できましたか? 
 その後、放送が入りましたが、放送をしっかり聞くことができましたか?
 
 情報をつかむことは大切です。「火事」なのか「津波」なのか。情報を良く聞いて、次の避難場所を自分で判断しなければなりません。「火事」なのか「津波」なのかで、避難場所が違うからです。
 
 「火事」の場合は、どこが火事か情報をよく聞いて、外に逃げます。火元は通れませんから、どこの通路を通ったら良いのか考えながら校舎から外に移動し、第一避難場所である「小グラウンド」へ逃げるのです。その後、大グラウンドに移動することもあるでしょう。

 「津波」の場合は、川や海から水が入ってきますから「上に・高いところに」逃げます。

 今日は、「地震」のあとに「津波」の緊急速報・お知らせが入りました。ですから、高い所を目指して、まずは落ち着いて、自分で判断し、3階まで避難してきたわけです。
 
 東日本大震災の時に釜石地区では、子どもたちが自分で判断し、高い所を目指して、移動したのです。逃げない大人に「津波が来るぞ!」「逃げろ!」と中学生が中心になって叫び、山の方に向かって1人でも逃げ、やがて2人逃げ、逃げない大人にも「津波が来るぞ。山に上がれ!」と、また声を掛け実行しました。

 逃げる途中で幼稚園・保育園の乳母車を押し、小さな子を見つけては背負い、お年寄りの手を引き、とにかく高い所へ高い所へと逃げたことで、逃げる人が1人・2人・3人と、増えていったそうです。「真剣に避難する」訓練をしていたからこそ、学校を休んでいた子ども以外は全員が助かったのです。そういう訓練を釜石の小学校・中学校でしていました。

 いつかくる地震、津波。100年後か1000年後かも知れない。明日かも知れない。「自分の命を守る」ことが「みんなの命を守る」ことになったというお話です。

 逃げなかった大人、その日、学校をお休みしていた子どもたちが亡くなりました。子どもが心配で戻った大人が、命を落としました。

 いざという時、「僕は僕で高いところに逃げるから、母さんもお父さんも心配しないで」「僕も必ず逃げているから大丈夫」「お父さんもお母さんも心配しないで、高いところに逃げてね」と言える子に学校で育てないといけません。
 
 今日は、「自分の命を守る」ための訓練。皆さん一人ひとりが「自ら考えて行動する」訓練を行いました。いつ、どこで起きるかわからない災害にもしっかり取り組むことが大切です。