伝統のある水泳授業

2018年6月25日

 「金藤理絵」さんが、昨年、本校に来園されました。リオデジャネイロオリンピックで200メートル平泳ぎ「金メダリスト」です。あれから1年。25メートル×10メートルで5コースの立派なプールで、子どもたちは水泳の授業に夢中です。本校のプールは、湘南学園小学校の3階のエレベーター左手(音楽室の隣)にありますので、外観からは見ることができません。

 プールと言えば、2つのことが浮かびます。
 1つ目は、ロサンゼルスオリンピックでの金メダリストである豊田久吉氏(峰島久吉)が、本校の中高に体育教師として赴任してきた時に、当時の国井理事長が「それならば…」と、湘南学園にプールを寄付してくださったことです。ちなみに、国井さんのお孫様二人は私の教え子で、お嬢様は3年前にお友だちと小学校に遊びに来てくださいました。藤沢市内で最初に出来たのが本校のプール。当時はプールが珍しい時代でしたから、地域の公立小の子どもたちも使えるようにと、「プール開放」をしていたそうです。プールの場所は、幼稚園の正門から入った所。民家に面してプールがあり、現在の「ホエールズシップ」(クジラの遊具)あたりになります。そういえば、先週の木曜日(6/21)夕方、「鵠沼地域の防災の集い」に参加したところ、長年、近所に住んでいるというおじいさまより、「プール開放」していた当時を懐かしむ声を聞くことになりました。鵠沼地域にある私立小学校としての役割りも大きかったのでしょう。嬉しそうに、楽しかった思い出と「感謝している」ことをお話しくださいました。
 
 2つ目は、新校舎建築にあたり、プールを建築すべきか、思い切って止めるべきか、時間をかけて先生方で議論したことです。プールを建築するにも維持するにも費用がかかること。屋上か屋内か、使用する時期は何月から何月までか、温水か否か、など多くの論点を課題として掲げ、一つひとつ時間をかけて粘り強く議論することになりました。関係者にとっては大変な思いを乗り越えて、プールを設置することになったわけです。「近隣説明会」を日曜日の午前中に開催し、広く意見を伺ったことも思い出します。小山校長・寳田校長・斉木教頭の時です。課題について、一つひとつ議論を重ね、今のプールがあるのです。3階にプールができることなど、イメージしにくく、藤沢市の小学校や私立小学校、スイミングスクールのプールを実際に見せていただき、問題点も含めて参考にしてイメージしたものです。温水プールまではいきませんが、風よけも含めてドーム型についても専門家から情報を集め、長所と短所をはっきりさせ、中高水泳部の顧問や中高体育科ともすり合わせました。

 お天気が良かった今日、3年生の水泳の授業での「レベル別3グループ」に分かれて練習をする姿を参観しました。当時の大変だったことを思い出し、嬉しさも倍増。水泳指導には関して、とにかく厳しかった先輩の先生方。怒鳴り声も懐かしく聞こえてきそうでした。監視員として毎日子どもたちを見守ってくださっている小川先生も卒業生であり、当時の厳しい時代をよく知っている方です。他にも色々と記憶がよみがえってきました。

 きれいなプールでの水泳の授業。子どもたちの健やかな成長のために、体育教師を中心に監視員や学年の先生方も配置しています。体育で担う安全教育や保健教育は生きていくための知恵や自らの身の安全を守ることと直結する教育実践なのです。