踊りから見えてくるもの

2018年10月2日

 明日は、表現の予行演習です。
 10月6日(土)の当日も楽しみですが、「表現の予行演習」も大事なイベントで特別な思いがあります。全校児童で、1つの学年の踊りを正面から真剣に観るのです。
全員で見合うのは、初めてのこと。本番はお客様や保護者が正面に陣取りますから、子どもたちは正面から見ることができません。ですから、子どもたちにとっては、明日が本番と同じくらい大事な発表といえます。
 
 1年生は「湘南エイサー」、 2年生は「花笠音頭」、3年生は「はねこ」、4年生は「七頭舞」、5年生は「御神楽」、6年生は最後に、ソーラン節をロック調にした南中「ソーラン節」を踊ります。

 私たちが教材にしている日本の踊り「民舞」は、どれもその土地の生活の中で生み出され、磨かれてきた文化です。私自身、その民舞を踊ることで、心を動かされることが数限りなくありました。昔の人々の生活に想いを馳せたり、今の自分の生活を見つめたり。子どもたちもそういう「体験」をしてくれるといいな」と思っています。そのためにも民舞の世界をもっと追求し、学んでいきたいと思いました。

 憧れの南中ソーランも今年で21年目。1998年から踊りました。写真は当時の練習風景です。
この踊りは、北海道稚内南中学校の生徒たちが踊って、日本民謡民部大賞を受賞した踊りです。踊りの取り組みが新聞やテレビでも紹介され、映画「父ちゃんの海」にもなりました。荒れていた中学校がこの踊りを通して蘇ったと言うパワーある踊りなのです。PTAの協力で当初は映画「父ちゃんの海」も全校児童に鑑賞させることができました。

 30代の頃は、ソーラン節の旅と称して、車で北海道に行ったものです。踊るからにはソーラン節の歴史を知らなければならない。ニシン漁について、青山御殿、日本海側、石狩川、積丹半島など、次から次に知りたくなり、行きたくなる場所がありました。北海道へ行き、稚内の街の様子や歴史的背景を調べてみると、夏の稚内は活気があり、どこへ行っても旅行客で賑わいを見せていました。その反面、冬は寂しいとの事でした。
 海辺に行くと、午前3時から昆布取りをしているという漁師さんに会えたり、昆布干しをしている家族を目の当たりにしたりで、漁業についてのお話を伺うこともできました。

 もちろん稚内南中も尋ねました。稚内市を一望できる丘の南側に位置する稚内南中学校に足を踏み入れ、他校にはない意気込みを感じました。まずは目につく校舎に掲げるスローガン。「今南中は日本一になる」のもと「心を一つに」取り組もうとする強い意気込み、冬を想像して自然の厳しさに立ち向かう子どもたち。小高い丘の上から見下ろすオフォーツク海、船着場、港、防波堤ドームなど、自然の厳しさを踏まえて「生きる」ということについて考えさせられました。

 まだまだ、本番までやることがありそうです。練習こそ大事、予行演習で子どもたちが感じることを頭から心に落とし込むことです。