本との出会い〜子どもたちが選んだ本〜

2019年6月25日

「朝の読書」「中休みの読書」「昼休みの読書」と、黙々と本を読んでいる子どもがいます。
たった1冊の本との出会いが、子どもの一生を支えていく可能性を秘めています。

<子どもが本と出会うとき>
表紙をめくり、その先に広がる未知の世界に飛び込んでいく光景にハッとすることがあります。体験したことのないできごとに惹き込まれ、驚いたり、新しいことを発見する喜びを味わいながら、なんとも言えない時間を過ごします。心が豊かになっていく瞬間でしょうか。

この1学期、図書委員会の子どもたち一人ひとりが「皆さんに紹介したい本」を選び、メディアセンターに並べて本を身近に感じてもらう工夫をしてきました。
「気になる表紙が目に入り、手にしてみた」「好きなテーマだから、中を開いてみた」「友だちや家族がすすめてくれたから、読んでみようと思った」など、きっかけづくりを話してくれました。

そして、ある雨が降っている休み時間。
図書委員の一人が手作りのプラカードをお腹と背中につけて、利用者へメッセージを送っていました。「静かにお願いします」と書かれ、少しうるさくしている人に、小声で「静かにお願いします」と言って、メディアセンター内を巡回していたのです。この光景は、初めて見ました。
5年生の男の子でしたのでインタビューすると、「うるさくしてしまう人がいるのでやってみようと思った」「静かに過ごしてほしいので」と言うのです。思わず小さな拍手。

本の世界は、日常では味わえない心地よい刺激を与えてくれます。
1冊の本がきっかけとなり、子どもの思いに変化が生まれ、この先の拠り所になっていくこともあるのです。
本との出会い方は一人ひとり違いますが、どの本でもいいので、手にした本が「今」その子にとって必要な本。まずは気軽に1冊を手にしてほしいと思います。

そういえば、小5の時に智恵子抄にはまったことを思い出します。真っ赤な表紙の本でしたので、よく覚えています。大切な1冊で大事にしていましたから、本を通してその頃の自分を思い出します。

メディアセンターは「居心地の良い場所」です。「本好きにする」環境を整えて、明日も子どもたちを待っています。