第57回神奈川建築コンクール最優秀賞受賞

2013年10月25日

学園のHPでもお知らせしましたが、小学校新校舎がこのたび第57回神奈川建築コンクール最優秀賞を受賞いたしました。非常に権威ある賞を受賞したことを皆さんと共に喜びたいと思います。日本の学校建築史に一ページを記すことになります。今から15年前「やればできる学校革命」(長澤悟ほか)日本評論社刊という本に出会ったことが、初めて学校建築を考える第一歩となりました。

教師になってからも学校という建物は、どこか緊張を強いるものだと感じていました。そして病院と同様どこか抑圧的なものだと感じていました。そのような者にとってこの本との出会いはまさに目を見開かされる思いがしたものです。当時東洋大学教授の長澤悟先生は、教育環境研究所所長としてまたわが国の学校建築の第一人者としてご活躍されていましたが、私がその名前を知ったのはこの本からでした。1980年福島県三春町では町の教育委員会が主導して、地方からの教育改革が試みられました。三春町の教育改革のユニークさ(着眼点の鋭さ)は学校建築に表れていました。「学校建築は教具である」「学校建築が子ども達を育てる」という理念は長澤先生が三春町の学校建築を通じて世に問うたものです。三春町の改革は今でも教育関係者に少なからぬ影響を与えていますし、この小学校校舎も当然強い影響を受けています。なによりこの校舎のコンセプトは監修者である長澤先生からのものですから。

5年前ヘルシンキ大学付属小学校(フィンランド)を見たときの衝撃は強いものでした。その内容に触れる余裕はありませんがPISA調査で安定的な学力を証明しているフィンランドの教育を象徴するものとして、十分なものでした。同時に私の教師人生とはもちろん無縁なものだろうと思っていました。これは偶然なのですが、たまたま同時期にこの学校を見学していたのが長澤悟先生と本校の設計を担当している日本設計のスタッフだったのです。こうして三春町の教育改革、フィンランド、そしてこの湘南の良き文化風土が一つになって結実したのがこの校舎なのです。