ダッシュようちえん

2020年10月14日

 ある日、体育の授業を見ていると、幼稚園の園庭に目を奪われてしまいました。
 なぜなら、幼稚園児が右から左にダダダダーっと走っており、
 その中に一つだけ大きな影がドドドドーっとあったからです。
 大きな影は中川先生でした。中川先生の突進力に目が離せなくなりました。ブッチギリのゴールを決めたあとはニコニコ笑いながら汗をふきふき。それを何レースもしていたのです。
 [すごいな・・・」とつぶやくのと同時に、自然と幼稚園に足が向いていました。


 間近で見るかけっこは、凄まじいものでした。園庭にはたくさんの園児が自由に自分の好きなことしています。トンネルを掘っている子や山をこしらえている子、何かを作っている子などなど。その中を縫うように走っているのです。おまけに地面はほぼ砂ですし、穴掘りの跡があちらこちらにあるのでボコボコです。それはそれはアドベンチャーレースそのものです。
 あまりにも楽しそうだったので一緒に走りたくなってしまいました。レースの参加を申し出ると、「チャボ小屋にタッチして戻ってくるんだよ。」、「先生はね、みんなより後ろからスタートだよ。」と子どもたちが教えてくれました。
 中川先生とみさき先生もスタートの位置につきました。みさき先生は僕が「運動あそび」を教えていたので、負ける訳にはいきません。

スタート!
 地面に足が取られひざが抜けそうになり、、しゃがんで遊んでいる子を避け、走っている子が周囲にいるので危ない危ない。
 転んだ子を助けているとレース終了。いっさいお構いなしに走っていた中川先生とみさき先生はやはりすごい。(笑)
 悔しさ半分、俄然やる気が出て2レース目。
 スタート前に、走るルートを見定めGO!
 チャボ小屋まではトップ!
 しかし、残念。ゴール前で中川先生に抜かれてしまいました。
 園児にありがとうとバイバイを言って幼稚園を後にしました。
 「あ~楽しかった。」

 幼稚園の園庭には、秋の森のドングリのように、子どもたちの生きる力がたわわに実っていました。