5年生「雪の学校」NO.7(2016年度)
最終日、朝食を食べてから集合します。松代地区、松之山地区と大きく2つの地区に民泊にでかけています。お別れ会も、2つの会場に分かれ、行われます。担任や引率の教員は、一足早く集合場所に集まって子どもたちを待ちました。
子どもたちは、集合場所へ明るい表情で帰ってきました。充実した時間を過ごすことができたのでしょう。また、民泊先の方々との関係も、ずいぶん深いものになったようです。駅へ送ってくださった車から降りてくるときの子どもたちの表情。各家庭の前にバスのお迎えがくる際の別れの言葉。距離が近くなった分、寂しさは一層感じたはずです。
お別れ会では、一泊という短い時間でしたが、一緒に過ごしてくださった皆さんへ心からのお礼を伝えます。
「お礼の言葉 民泊先の方々へ
一日お世話いただきありがとうございます。たった一日でしたけれど、かけがえのない出会いでした。はじめは、会話もできず、気まずい思いをしたけれど、だんだん一緒に過ごすうちに打ち解けていけました。僕たちが手紙に書いていたことを叶えていただいたり、ふとんを用意していただいたり、雪遊びにつきあってくれたり、いろいろなことをしていただいて、ありがとうございました。
一日だけれども、ぼくたちにとっては、大事な経験です。人との関わりの大切さを学び、みなさんのおもてなしを感じ、自分たちがどこかでこの恩を返せるような人になっていきたいです。どこでも、がんばっていきたいです。一日、本当にありがとうございました。」
代表の子どもより、正直な思いが話されました。それに応えるよう民泊先の方々より、言葉をいただきました。
「この冬はずっと雪が降らなくて心配でした。しかし、寒波がやってきて、70センチメートル降って除雪したら、さらに50センチメートル降り積もりました。たくさんの雪があるところで、皆さんをお迎えでき良かったです。私が住む集落は24家庭あります。じいちゃん、ばあちゃんばかりです。民泊によって、久しぶりに子どもたちの声が響きました。すると近所の人たちから声をかけられます。また、犬も大喜びします。元気いっぱいに遊んでくれるからです。5年生のみなさんは、6年生に見えるくらい大きいなと思いました。6年生になっても、色々なことをがんばってほしいです」
「皆さんが来てくれるということで、準備をしました。うちのばあちゃんが、「ご飯をみんな食べてくれるかな」と心配していました。実際に皆さんは、ごはんを「おいしい、おいしい」と言ってくれました。すごく嬉しいことでした。今は、このあたりは雪一面の景色です。でも、夏は緑で一色になります。紅葉もすごいです。四季がはっきりしていて良いところだと思います。ぜひ皆さん、また来てください。ご家族にも、後輩にも、良い経験をしたと伝えてほしいです」
あたたかみのある声で静かに語られました。そして、優しい表情。十日町の方々のあたたかさに感動するとともに、言葉にできないくらいの感謝の気持ちを持ちました。そして、子どもたちからも合唱のプレゼント。
「自分たちがどこかでこの恩を返せるような人になっていきたい」
人は、一人だけでは生きられません。民泊でお世話になったように、子どもたちは将来、別の人へ恩返ししていくことになります。今回の出会いの喜びを胸に留め、自分自身は何ができるか、少しずつ考えていってほしいと思います。