6年生 SDGs
6年生 「総合」 SDGs パート1
今年の6年生は、「総合」でSDGsを1つのテーマとして扱いながら、世界を考えていきます。
まずは、ゲームをすることで「世界」を感じてほしいと思いました。ゲームと言ってもリアル。世界と自分の結びつきが体験できる時間を持ちました。
その日のレポートです。
2030SDGs公認ファシリテーターである中村容さんによって、SDGsゲームを行いました。
子ども達には、担任からは「世界を感じてもらいます!」としか言ってなかったので、何が始まるのか興味津々。
グループに分かれて、中村さんの話に聞き入っています。まずは、SDGsを簡単に説明して下さいました。
SDGsは、2030年までの国際目標として、持続可能な世界を実現するために17のゴール・169のターゲットを設定したものであること。そして、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っていて、「改善」ではなく「変革(Transform)」することが重要であることを教わりました。そして、お手伝い頂いた美夏さんとの掛け合いで、ゲームの説明に入りました。
クラスを12のグループに分け、この場全体が1つの「世界」となります。12のグループは、「お金」と「時間」を使ってProjectを進めます。Projectを達成すると、「お金」と「時間」が手に入り、「経済3」「環境3」「社会3」の「世界の状況メーター」が変化していきます。Projectは、状況メーターによって実行できるかが決まります。(今回は)事前に決められたゴールに向かって活動していきます。現実社会で行われていることは何をやっても構いません。交渉することもOKだと聞きました。ゲームは、前半後半の2部構成。
子ども達の目の輝きは、半端なくキラキラしていました。
さて、いよいよ、ゲームの前半が始まります。タイマーが動き始めました。
その瞬間、一斉に「世界」が動き出しました。
Projectを実行しに行く人、交渉を始めている人、Project Cardを2枚手に持って、にらめっこしている子。
教室が1つの「世界」となり、至る所で対話がなされ、交渉成立のところもあれば、不成立のところも。
その間にも「世界の状況メーター」は進み、刻一刻と変化しています。
一方で、じっとイスに座り考えている場面も。「静」と「動」が入り交じって、世界は動いていました。
そのうちに、前半が終了。席に着いた瞬間、子ども達が口々に叫びました。
「えっ、環境やべー、破壊している」
「経済、バブルじゃん!!」
世界の状況メーターは、「経済13」「環境2」「社会5」になっていました。ゴールが達成できたのは12チーム中5チームでした。
そこから容さんの振り返りが始まります。経済、環境、社会について、自分達が創り出した「世界」の状況を、現実の写真で示してくれました。
その写真を見て、悲劇的に叫んでいます。
「僕らの世界はダメかもしれない。」
そこで、容さんが続けます。
「みんなが言うように、自分のチームのゴールだけを考えていると世界は見えなくなる。でも、Project Cardに書いてある後半のゴールを見て欲しい。「豊かな世界を目指す!」ってどういうことだろう?」
グループでシェアする時間をくれました。
そこで、残っているCardを見ながら「環境をどうにかしようよ。」「交渉でなんとかしてくる!」など、物事をとらえる視点が「自分」から「世界」に移ったように感じました。そして、後半の時計が動き始め・・・「2030年までの時間が動き出しました!」
みんなの視線と会話の中に、「状況メーター」「環境」「社会」という言葉が増えました。
他チームが「環境メーター」をあげると、他のチームが「やったぁ!」と喜び、自分達もどうにかしようと交渉をさらに頑張っていました。
「環境だけ上げてもダメだよ。バランス良くしなきゃ!」
最終的に「経済22」「環境7」「社会11」となりました。
世界を見る「目」が変わりました。
容さんは、ゴールできなかったチームに、何があれば達成できたかを聞くとそのチームは「時間1」と答えました。
みんなに聞くと、いろんなチームで「時間1」はあふれていました。そして、容さんが続けます。
「時間はこんなに余っていたんだよね。必要なところに必要なものが集まっていないのかもしれない。分かっていたら、その余っているものを活かせたかもしれない。
これって、現実の世界も同じだよ!ゴールが分かれば助け合える。
だからこそ、発信も必要だし、他の人のことを知ろうとする気持ちも大切。」
そして、最後に「『SDGsで未来を変える』ではなく、『SDGsで自分を変える!』ことが重要。すると、未来が変わるよ。」とお話下さいました。
そして、この日だけの「世界」が幕を閉じました。
子ども達は、「世界」と「自分」が繋がっていることを実感し、自分次第で世界を良い世界へ変えられるかもしれないと思ったようです。
子ども達が進む未来。
これからも6年生は、SDGsという視点で、未来をどう創っていくかを学習していきます。
最後に、子ども達の感想を載せます。「自分」と「世界」というキーワードで書いてもらいました。
・ゲームをやって思ったことは、環境や社会を良くするためには、たくさんのお金と時間がかかることが分かった。
・自分はゆっくりと過ごすことがテーマだったので時間が欲しかったけど、お金と引き替えに時間をもらっていたけど、現実世界ではお金をいくらあげたって、時間がゆっくりになることなんてない。
・自分は自分のことしか考えてなかったことに気付きました。地球の問題地下えらい人が話しているけど、結局何も考えていないのではと思った。
・たくさん学んだ。世界の状況、チームワーク、他の人とのたくさんの交流。その他にもたくさん!そして自分が変われば世界が変わる。これは先生が以前に言ってた自分が何かをすれば何かが変わることに似ているなと思い、自分もさらにレベルアップしていくぞ!と思った。
・SDGsを調べていてこのゲームを知ってやりたかった。信長の辞世の句みたいだけど、世界に比べたら自分は小さな存在だけど、その小さな自分が変わると、世界が動き出したらいいなぁと思った。
・ゲームでは自分達の利益を得るために環境や社会を無視していたが、こんなことが地球規模で起きているのかと改めて実感。このままだと地球がバーンだと思った。
・ゲームをやって感じたことは環境破壊がすごい!自分の世界がこんなだと思うと悲しいです。だから、もっと環境をよくしたい。
・バリに行ったとき、路上でお母さんと私より小さい女の子と2歳ぐらいの人たちが座っていて、歩いている人に「お金を下さい」と求めているのを見て、こんな人たちをなくしていきたいと思った。
・自分は気楽に生活しているけど、世界の一部は、子どもと学校にも行かずに仕事をしていることが分かった。今度からは自分に出来ることなどをしていきたい。
・自分がすることが世界のどんなことに影響を及ぼすのかを考えて行動しないと、いろいろなことが劣悪になってしまうんだなと思った。
・最初はお金をもらうことしか考えていませんでした。けれどGoalを達成するには世界の人たちと取り組まないといけないことに気付きました。自分達のことではなく、世界のことを知らないといけないんだなと学びました。
・これからは世界に目を向けていきたい。
・世界は一種のゲームとして動いているのかもしれないと思った。自分がゲームの中で小さな世界を体験したが、世界だってそれをおおきくしてもっと難しくしたものなのではないか。