難しいは新しい

2021年9月10日

 6年生の算数の授業を見ました。円の学習でコンパスを使っていました。円を描くには中心点に針を刺し、コンパスの頭を摘まんでクルリと回せばよいのですが、そこがなかなか難しいのです。手首で回そうとしている子は、頑張っても250°くらいまでしか回せず、「あれ~?」と言いながら首を捻っています。かつて、中腰になって自分を回転させようとしている子や、ノートを回している子もいました。まあ気持ちは分かります(笑)。子どもたちの苦労している様子を見ていると、ふとあることに気付いてしまいました。この子たちが4年生ときに、僕が担任をしコンパスの練習したことを・・・散々ノートに書いたので、「4年生のときにやったでしょ~」と言うと、「やった、やった。」と言う子がいる一方で、苦笑いしながら「そうだっけ?」ととぼける子もいたりと教室の中が和みました。

 2年生の図工では、水彩絵の具を使って「かき氷」の絵を描いていました。器はクレヨンで描き、氷りの部分を絵の具で描きます。自分の好きな色をひとつ選びます。水色を手にした男の子に「何味?」と聞くと、チューブを搾りながら「ブルーハワイ。」と答えてくれました。雫を描くように筆を置きながら、氷りのてっぺんの部分から色をつけます。じっと画面を見つめたまま、筆を動かさない子がいました。きっと何かを考えているのでしょう。しばらくすると意を決したように筆を動かし始めました。そして、水の量を増やしながら描き進めていくと、氷りの部分に色の濃淡ができます。すると、シロップをかけたかき氷のようになりました。

 コンパスも絵の具も筆も、道具を介して上手くいかない自分と向き合うのも大切な時間です。                            難しいと思ったら新しいことに挑戦していると考えればよいのです。