理科-雲をつくろう-

2021年10月15日

 5年生の理科で「雲をつくろう」という授業をすると聞いたので、早速その様子を見に行きました。実はあるテレビ番組の影響で気象に興味が湧いているところでした。
 今回の教具は平底フラスコと大きめの注射器です。まず、フラスコに連結させた注射器のピストンを押したり引いたりしました。しかし、フラスコの中は何も変化しません。そこから先生と子どもたちのやりとりが始まりました。理科の先生から「雲が出来るためには何が必要ですか?」の問いが繰り返し続きます。「水がいる。」と子どもが言えばフラスコの中に少し水を入れます。今日の授業は「まずはやってみよう!」という流れで進んでいくようです。子どもたちはこれで雲ができると思い、注射器を動かします。しかし、フラスコの中は全く変わりません。ここで先生からの問いが変わります。「何のために注射器を押したり引いたりしていると思いますか?気象のある現象を作っています。」子どもたちは「温かい空気と冷たい空気を入れるため。」、「上昇気流と下降気流を起こさせるため。」「風を吹かせるため。」など学んだ知識を総動員して答えていました。

 その後、先生のヒントを頼りに、子どもたちは注射器を押したときは気圧が上がること、引いたときは気圧が下がることを知りました。つまり、高気圧と低気圧を作るために注射器を押し引きしたのです。ここまでくると、目の前でやっていることと日常の気象現象とがつながり、低気圧のときに雲が発生することに気付きます。

 しかし、「これだけでは雲はできません。」と先生はさらに子どもたちを揺さ振ります。次に先生が取り出したのは線香でした。フラスコの中に数秒だけ線香の煙を送ります。子どもたちは雲が出来ることと線香が結びつかず不思議な顔をしています。また最初と同じように注射器を動かします。今度はゆっくりと・・・すると「あっ白くなった。」、「曇った!」と声が上がりました。フラスコの中の気圧が下がったときに、線香の煙の粒が空気中のチリと同じ役割りをして、そこに水蒸気がつき雲が発生したのです。


 この日は空一面に灰色の雲が広がっていました。今日の授業で起きた現象が、目の前の空で起きていると想像するとワクワクします。