海と自分のこと

2022年2月22日

 湘南学園小学校は海の近くの学校です。ですから海のことを学ぶには最適な環境にあります。3年生は宿泊学習の『海の学校』を体験し、海について学びを広げ深めています。
 今日はパパラギダイビングスクールの創設者である、プロダイバー・環境活動家の武本匡弘さん(NPO法人気候危機対策ネットワーク代表)が、ゲストティーチャーとして「気候変動と海洋性プラスチックによる海の生きものへの影響」についての話をしてくださいました。武本さんにはひと昔前に大変お世話になりました。当時は、子どもたちと一緒にスノーケリング(3枚目写真)や磯観察の活動をしてくださいました。武本さんの魅力は海に関する知識、経験、技術は言うまでもありませんが、それに加え話術が見事に楽しいのです。今日はZoomでの講演で、僕も途中から参加させてもらいましたが、すぐに”武本さんマジック”に掛かってしまいました。


「海の生きものがいなくなったらどうなるのですか?」の子どもからの問いに対し武本さんは、その様子を想像させ自分たちの食べ物がなくなってしまうことを伝えます。「お寿司のカッパ巻きも、のりがないから酢飯にキュウリだけだよ。」と、身近な話題までドンと落とし、最後は海洋保護区の話までガツンと引き上げます。また、「なんで人間はゴミをポイ捨てするのですか?」の問いに対しては、「きみはしてますか?」「してません。」のやり取りをした後に、皿洗いをしていることを引き出しました。そして、皿洗いに使ったスポンジは目には見えないほど細かく砕かれ、海に流れてゴミになることも伝えていました。自分の知らない内にプラスチックを捨てていることに気付かされます。もちろん、皿洗いをしたことは「偉いね。」と褒めてくれます。

 
 僕は、武本さんと子どもたちのやり取りを聞きながら、「人間が海と生きるのに一番大切なものは何だろう?」と考えていました。果たしてこの問いを投げ掛けたら、武本さんは何と答えてくれるのだろうか・・・最後にスライドが流れ、もう話が終わろうとした時です。僕の頭の中にある問いに対する答えが、何の前触れも無く画面に現れました。

 『知ることが希望』