「みんなで元気に遊んでる!」藤沢メダカと湘南学園小学校

2014年6月27日

 メダカといえば、団塊世代を前後する年齢の皆様には、幼少期の思い出の1つとして、童謡「めだかの学校」が口をついででてくることでしょう。この童謡が1951(昭和26)年に、NHK「幼児の時間」のコーナーを通じて世に広まって以来、子どもたちは、地元の小川などで、普通にメダカが群れている様を見ることができ、親しんできました。
 しかし、高度経済成長期を経て1980年代に入ると、農薬の使用や生活排水また灌漑用水路・ため池、生息可能な環境を備えた小川の減少、加えて繁殖力の強い外来種の影響などが原因で、全国的にメダカの姿は消えていくことになります。神奈川県では、1995(平成6)年にメダカを「絶滅危惧種F種」に登録し、2003(平成15)年5月には環境省が発表したレッドデータブックに絶滅危惧種として指定されるにいたっています。
 藤沢周辺の自然水域においても、メダカはすでに絶滅したとされていましたが、1995年9月、鵠沼桜が丘の池田正博氏邸の池に奇跡的に生き延びていたメダカが発見され、「藤沢メダカ」と名づけられました。それを契機に「藤沢メダカの学校をつくる会」が発足し、湘南学園小学校も同会の趣旨に賛同し、「藤沢メダカ」の飼育を現在も続けています。
 先日、「藤沢メダカの学校をつくる会」の渡部かほり会長を「学びの森(ビオトープ)」をもつ湘南学園小学校にお招きし、「藤沢メダカ」の飼育を含めて、お話をしていただきました。
 さて、童謡「めだかの学校」に話は戻りますが、この原曲がイギリス・イングランド地方の詩であり、作詞家茶木滋が”A Tiddlers School”を「めだかの詩」と勘違いして和訳したという説があります。tiddlersとは小魚という意味と共に、「ちびっ子」という意味もあるそうです。そのように考えますと、元気よく泳ぎ回る藤沢メダカは、まさしく湘南学園小学校の子どもたちそのものです。この湘南学園小学校が、湘南学園全体が、そして鵠沼地域や藤沢市域などが、メダカや人のみならず、生息するすべての生き物にとって、過ごしやすい環境として絶えず保全され、持続可能で豊かな地球環境のためになっていくことを願い、ひとつひとつの取り組みを足元から進めています。