地域・アート・子ども

2012年10月15日

13日(金)6年とうり組の総合学習の引率者の一人として、「藤沢今昔まちなかアートめぐり2012」(主催 藤沢文化創造の丘をすすめる会)に参加しました。北口にある蔵前ギャラリーから出発し、有田家、旧稲本屋など、市の文化財である旧家、蔵など、また歴史的地域遺産の中に、藤沢市を中心としたアーチストの作品を展示したものです。

一言で言って素晴らしい体験でした。参加作家の一人である佐々木薫さんは、本校の古市教諭の妹さんであり、そのご尽力もあり主宰者の皆さんが六年生の子どもたちのために特別なプログラムを組んでくださったのです。順番に映像にしていくとそれだけで優れた短編映画が出来上がる質を持った展示会です。旧家の蔵の中から現れるアートと作家たち、なんと贅沢な展覧会だったでしょう。例えばポルスカさんというフランス、パリ在住のアーチストで、谷崎潤一郎「陰影礼賛」からインスピレーションを受けたという作品が、古い民家の蔵に展示されています。蔵の窓から差し込む光の中に現れる造形、息を呑むような空間でした。伊東直昭氏による、北条家のおそらく狼煙をあげたのであろう丘の上の造形は、滅び去った北条家から3・11で犠牲になった方々までの鎮魂の造形と私は受け止めました。岩崎幸之助さんの石の造形からは優しい水の音が聞こえ、いつまでもそこに佇んでいたと感じました。佐々木薫氏の蔵の中に柔らかに差し込む光の中に佇む人型の造形は、忘れられない強い印象を残します。その他にも素晴らしい作品が街中アートとして点在しています。

本日PDFでチラシを別のコーナーでご紹介していますので、ぜひ参加してみたらいかがでしょう。子どもたちのために、ご尽力いただいたみなさんに深く感謝するとともに、このように子どもたちの心に種をまくような地道な仕事にご理解、ご協力いただいたアーチストのみなさんのご期待に応えるように、今後も小学校として努力していきます。※最後に子どもたちがお礼の歌を披露しました。みなさん、ありがとう。

PS・私はシャンソンが好きなのですが、このシャンソンいまやフランスでも若い人たちにあまり興味が持たれていないようです。ポルスカさんにブレル、ブラッサンス、アズナブールなどたくさんのシャンソン歌手の名前を聞いたのはとても楽しい経験でした。またボランティアスタッフの中に湘南学園卒業生の方もいて、地域と湘南学園とのつながりを改めて感じました。
藤沢今昔・まちなかアートめぐり2012[PDF]