銀の匙

2013年9月12日

今朝灘中高元教諭の橋本武先生が101歳で亡くなられたという新聞報道を読みました。橋本先生は50年間灘校の教壇に立たれ多くの、人材を育てられました。その国語科教育は大変ユニークなもので、中勘助の小説「銀の匙」を中学の3年間それだけを徹底してテキストとして読み込むというものでした。文中に凧揚げが出れば実際に校庭で凧を上げ、お菓子が出てくれば自腹でそのお菓子を生徒たちに食べさせる、というように徹底して具体物や体験を読解と結びつけて文章を読み込むというスタイルです。授業ごとにがり版刷りの克明な資料を作り、授業に臨みました。おわかりになるかと思いますが、こうした学力、授業観は、本校の目指す「豊かな学力」と共通した親和性があります。私自身も大変共感しながら先生の授業実践を受け止めておりました。ご冥福をお祈りします。