公開研究会 6年生総合「人とつながり、未来へ生きる」
先週の土曜日(2012/11/10)に公開研究会が行われ、3つの研究授業が行われました。ここでは6年生の総合の授業を紹介します。
6年生の総合の授業では「人とつながり、未来へ生きる」というテーマで行っています。
湘南地域の様々な人と出会い、その人たちの生き様に触れることで、そのつながりから子ども達が自分たちの生き方を考えていくものです。
授業ではまず今までの活動をプロジェクターに映された写真を見ながら振り返りました。
「あぁーけっこう色々と活動してきたなぁー」と誰もが思っていたその時…
―――you got mail!!―――
と、突然のビデオメールが!?
それはお世話になった新江ノ島水族館の企画部部長・杉本繁則さんと株式会社さんこうどうの社長・川上彰久さんからのメールでした。
「チャレンジしてほしい」
という熱いメッセージを杉本さんから。
「成功の反対は失敗ではなく○○」
という問いが川上さんから投げかけられました。
本時はこの問いをきっかけとして、各グループが地域の人からインタビューして得た話をもとに、その「人」から学んだことを発表し考える時間を持ちました。
・次へのチャンス
・成功への道
・成功のもと
・成功のヒント
と、様々な意見が出てきます。ここで注目したい点はどれもポジティブな言葉に置き換えているところです。この時点で、すでに今までの校外学習から何かを見出していると感じられます。
さて、答え合わせです。川上さんの答えは…
「成功の反対は失敗ではなく・・・何もしないこと」
これは、何もしなければ成功することはない、という川上さんの思いが反映された言葉でした。
・失敗を恐れない
・何事も積極的にやる
・失敗してもくじけない
・チャレンジしていくことが大切
・出来ないことに挑戦して失敗を重ねて成功したときこそ本当の成功
・失敗はチャンス
・チャンスをのがさない
たくさんのメッセージが子どもたちが発表されました。
続いて、『失敗を次に生かすためのメッセージ』が。
今回インタビューした10人の方々からは、様々なメッセージが子どもたちに向け発せられています。
・何事も追及していく
・一つのことをやりきる
・サーフィンはすべてを狂わせた
・勉強しないと将来困る
・自分のできることをやる
メッセージの発表は基本的にエピソード付きでの発表です。メッセージの言葉が大切なのではなく、そのメッセージが生まれた背景とそこに込められた思いが大切なのです。そのメッセージを受け取り、みんなに発表するのです。公開授業ということで、子どもたちも少し緊張してしまっている様子が見られましたが、普段から「発言する」ということは行っているため、メッセージに込められた真意をしっかりと発言していました。
最後に、「自分の生き方に活かせること」を考えていきます。
色々なグループから出た様々なメッセージが、どれだけ自分達に響いているか、それを確認する時間です。
・追及していくこと
・失敗を恐れないこと
・夢中になることを大切にしていきたい
・不器用のほうがいい
思い思いの意見が出てきます。
インタビューを通し、出会った「人」の考え方や価値観、生き方に接することで、そこから自分の生き方につながるものを見出して欲しいものです。今、感じることができなくても、誰かのメッセージがふと頭をよぎり、自分が大切にしたい何かが見つかる時が来ることを願います。
(作成:広報担当)
『「人」から「人」を学ぶ』ということを目標としてやってきました。出会った方々は、自分の思いや生き様を惜しげもなく子ども達に語ってくれました。ある子は「こんなに前向きに生きている人と初めて出会った。」と言い、回り道をしても一生懸命にやる大切さを話してくれました。ある子は「何事も追究していくことが重要」と知り、社会のレポートで大日本帝国憲法を全文書いてきました。語って下さった言葉が少しずつ子ども達の中に響き、メッセージの中の思いが次第に子ども達の心に根付いていくのを感じました。
「人生」や「人」を考えることは、大人でも難しい課題であり小学校6年生の時期に考えさせることは大変難しいだろう、というご意見も頂きました。でも、この時期だからこそ感じる健気な素直な気持ちを大切にして授業を組み立てていきました。もっと時間を取って、聞いてきたエピソードを発表させてあげられれば、と思いましたが、言葉のひとつひとつが活き活きとしていました。
今回の学習で出会った人は、これからの人生の中で出会うたった一人かもしれません。でも、悩んだり苦しんだり、立ち止まったりした時にもそれを乗り越える力になってくれることを願うと共に、「人」とつながり、未来を切り開いていって欲しいと思います。