2016 4年生 山の学校 No.5
二日目は、AとBの二つのグループに分かれての行動です。活動内容は二つ。一つは、コウモリ穴の見学と青木ヶ原樹海のトレッキング。西湖まで目指します。もう一つは、陣馬の滝で水の観察と水遊び。特産品のわさび園やニジマスの養殖のようすも見学します。
コウモリ穴は、河口湖近くにある溶岩洞穴です。コウモリの生息地として知られています。国の天然記念物として指定されていて、入ったことのある方も多いでしょう。この洞窟は、西暦866年におきた貞観大噴火によってできたそうです。子どもたちは、ヘルメットを受け取ると気分は冒険家。ガイドさんとともに、進んでいきます。はじめて入るという子がほとんどです。ガイドさんは、コウモリ穴について説明してくれました。
「洞窟は、溶岩が固まるときに、ガスで開いたといわれているよ。中には、コウモリが住んでいるけど、以前人間が良くないことをして数が減ってしまったんだ。数万羽いたらしいけど、今は数百羽だそう。だから、コウモリのために静かに入ろうね。中は狭いところがあるから、ヘルメットをしっかりかぶろう」
子どもたちは興味深く聞いていました。
そして、中に入ると、外とは全く違う世界に驚いていました。冷たい空気、暗い洞窟内に、さらに冒険家になった気分が盛り上がります。中では、水がいたるところからポツポツと降ってきます。ゴツゴツとした岩の間を進むと、さらに天井も低くなってきて。一番ピンチだったのは、先生たちだったかもしれません。高さ数十センチメートルしかない空間を進んでいきます。「大変だ!」「かがまないと進めない!」「先生がんばれ!」といった声が聞こえます。
人が進めるところは限られます。そこから先は、コウモリの住居になっているからです。格子で人が入れないように守られています。子どもたちは、そこで中をじっと見ていました。
コウモリ穴からでると、そこから西湖にむかって樹海の中を進んでいきます。昨日は三湖台の上から眺めた樹海。海と書くように、一面樹木に覆われていましたが、鬱蒼とした森林の中を進んでいきます。
「樹海は、まだ若い森。溶岩が固まった玄武岩という岩の上に森が育っているんだよ。水を垂らしてみよう。すると、すぐに岩の中に染みていってしまうよ」
ガイドさんが実際に水をもってきてくれました。実際に水を垂らし、すばやく染みていくようすをじーっと子どもたちは見つめていました。
「コウモリ穴に入っていくと、波みたいな形になっていました。それは、溶岩が流れたときにできた模様だそうです。」
「シャクソウを見つけました。とても珍しいものだそうです。白い色で、他の植物から栄養をもらっているそうです。栄養どろぼうと呼ばれています」
「青木ヶ原樹海はコンパスがききません。溶岩が固まっていて、その中に鉄が入っています。だからくるってしまうそうです」
「普通の木は茶色ですが、赤とか黄色とか珍しい色の木がありました。見つけられて良かったです」
「溶岩が固まった岩に水をかけるとスポンジのように水を吸収していました。吸っている岩や、吸っていない岩があってびっくりしました」
「リスが松ぼっくりを食べるそうです。食べた後の松ぼっくりは、エビフライの形をしています。あまり見つけられませんでした」
そんなことを子どもたちは学びました。
そして、西湖湖畔へ到着。疲れたようすもありましたが、自分の足で歩ききって満足感がありました。