【号外】喜び、悲しみ、すべてをステージで…ザ・ヤングアメリカンズ

2013年3月13日

 
「あなたたちに出会えて本当に嬉しい。日本でのツアーにとても感謝している。」

「今回、日本に来日しているメンバーは全員が家族のようだ。そして今回出会ったあなたたちもわたしたちとともに家族だ。」

「明日ショーが終わってすべてのセッションが終わったとしても後悔はないように、今という一瞬一瞬を大切にして幸福を感じたい。」

これは今日のワークショップで、ザ・アメリカンズのメンバーがショーのクライマックスを飾る演目を練習する前に、子どもたちに贈ったメッセージです。子どもたちと一体となってショーを目指すメンバーの情熱が込められたものでした。
 
 
今日のワークショップは明日のショーへ向けての練習を熱心に取り組んでいました。一つ一つの動作や歌を確認し、部分を磨きながら全体をつくることをめざして進めていきます。振付や歌の練習では、同じ練習を繰り返さない、繰り返すときには少しずつ変化させるなど、子どもたちが飽きないように要点を押さえて練習していることがわかりました。ただ、このような見方は、観察者または教師としてのものでしょう。

子どもたちは、メンバーとコミュニケーションを取りながら、ショーへ向けて一歩ずつ進めているという充実感を感じていることと思います。言語や文化の壁を越えて、一つのものをつくりあげる一体感が育まれていることは、見学していてよくわかります。

今回、ザ・ヤングアメリカンズは一番大切なことを伝えてくれました。

中盤の休憩をはさんで、彼らが子どもたちに、ショーのハイライトであるライオンキングの演目を実演してくれるということは、事前に聞いていました。実演の直前に見学席に着くと、子どもたちのいないところでメンバー全員が円を作って、今思っていることや感情、この2日間の子どもたちとの関わりのことなどを共有している場面を見ることができました。特別な実演へ向けて集中力を高めるとともに、チームとしての結束を確認しているようすです。

そして本気で、子どもたちにその演目をぶつけました。

見学している私たちもその迫力と情熱に圧倒されましたが、子どもたちはより感じることがあったと思います。その実演が終わってから大切なことを教えてくれました。

「わたしたちのすべてをあなたたちに差し出した。」

「明日はあなたたちも、ステージですべてを表現する。」

「嬉しいことも、悲しいことも、感情、情熱、エネルギーはステージで表現していいんだ。」

「怖がらずに私たちと表現を。」

最初のメッセージとともに、彼らがもっとも湘南学園の子どもたちに伝えたいことだったと思います。そしてクライマックスの練習に突入していったのです。

さて記録用とHP用の写真を撮ろうとファインダー越しに子どもたちの表情を見ていたのですが、昨日より今日、今日の前半より後半と、あきらかに変わってきているのがわかりました。少しずつ表現者としての面構えになってきたと感じられるのです。

この大切なメッセージが子どもたちの中でどのように芽を出すのか、まだはっきりしません。しかし明日のショーにおいて、何かしらの形で私たちに伝えてくれると思います。

今日も子どもたちはよくがんばっていました。しかし、ときにはうまくいかなかったかもしれません。まだ表現するには勇気がほんのちょっと足りなかったり、疲れがたまって明日はしんどいかもしれません。

でも…

ハクナ・マタタ

気にせずに怖れずに、できることをやってみよう。

三日間のチャレンジを、一つの作品として、明日わたしたちに見せてくれることを楽しみにしています。