2018山の学校No.2

2018年5月17日

道の駅なるさわで、お世話になるNPO富士山クラブのガイドの皆さんと合流しました。

それぞれ、ニックネームで自己紹介をしていただき、再びバスで登山口まで移動後、いよいよハイキングのスタートです。ここからは、クラスをまたがったグループごとの活動になります。

ガイドさんからは、溶岩の上の遊歩道を歩く際の注意がありました。

土の上の森と違って、根っこを地中深くにのばすことができない樹海の木々は、根っこを横に伸ばして絡み合っていること、そのため、育ちすぎた木はバランスを崩して倒れてしまうことがあるので、遊歩道から森の中に不用意に足を踏み入れてはいけない。また、溶岩に降った雨はすべて地中に吸い込まれていくが、溶岩上のコケが水分を蓄えていて、その水分が森を支える土台になっているので、遊歩道の外のコケを不用意に踏み荒らしてはいけない。山道を歩くときは、谷側ではなく山側を歩くようにすること。谷へ小さい石ころを落とすと、次々と不安定な大きな石や岩にぶつかり、下を歩いている登山者に大変危険なことになるから。急な山道では、前の人との感覚を1mくらい空けること。前後の人が万が一倒れて、将棋倒しになることを避けるため…等々。注意のひとつひとつにちゃんと理由のあることがわかると、素直に納得できます。

ガイドさんは道の途中で立ち止まっては、「富士山から300年前に流れてきた溶岩の先が、ここで冷えて固まったんだよ。だから、ここまでの森は300年の若い森。ここから先は、もっと前から何万年も続く古い森。木々の様子が違うでしょ?」「この穴は、溶岩が流れてきたときに太い木が残っていて、そのまま溶岩が固まったから、穴だけが残ったと言われているよ」と、ブラタモリのような内容をライブ版で解説してくれるのは贅沢そのもの。道ばたの木々や草花、たまたま遭遇したキジの説明もしてくれました。

登山道に立っていた道標は、東海自然歩道(とうかいしぜんほどう)といって、みんなの歩いている道が、東京都八王子市高尾の「明治の森高尾国定公園」から大阪府箕面市の「明治の森箕面国定公園」まで続く、ものすごく長い道なんだよと教えてもらいました。
 
なだらかなハイキングコースをゆっくり登って、ようやく三湖台展望台に到着。雄大な富士山が待っていてくれました。眼下の精進湖・西湖・河口湖が富士山の溶岩で埋まって別々の湖になったこと、溶岩の上に広がる樹海の森が同じ高さなのは、高すぎる木があると避雷針のように雷が落ちて火事になるので、特別な許可を得て伐採していることなど、ここでも自然に関わるお話をたくさん聞くことができました。

さわやかな風と緑の中でのおにぎり弁当のおいしかったこと!木陰やベンチに広がって、お弁当を食べたり走り回ったりして楽しみました。

下山はちょっとスリルを味わいながら、慎重に歩みを進めてバスの待つ民宿村まで戻ってきました。大きなけがもなく、みんな無事に下山することができました。

宿舎に着くと、「うわー、ステキなホテル!」と子どもたちのテンションも上がります。

部屋長さんの司会で、入館式が始まりました。お世話になるホテルの皆さんにご挨拶をして、山の学校の目標をあらためて確認しました。これからの活動に期待が高まります。